日日古本屋

岐阜の古書店・徒然舎店主の日乗です

4月3日(金)

ぼんやりしていたわけではないのだけれど、季節的な実感はないまま4月を迎えてしまったので、我に返り慌てて年度末の事務処理を始める。それはすなわちお金が減る側の仕事。

これからしばらく売れるあてのない新刊書籍(新刊は店頭でしか販売していないので)の精算は、値段は大きくないとはいえ、少しだけ溜息が出る。とはいえ、そのお金は、本をつくる方に届くお金なのだ。とにかく今は支え合うしかない。

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夕方とつぜん携帯が鳴る。京都・善行堂の山本さんから。休業したことを心配して電話してくださった。近況報告をして、ほんとうに悩みますよね、と、少しお話しする。お互いがんばろうな、またなあ、と、いう山本さんの声が胸にズンと届いた。

閉店近くに、東京の古本屋友達SさんにLINE。太閤堂が、トイレットペーパーとか買えてるのか心配だから聞いて、と。すぐにお返事あり、少しの間やりとり。ささま書店さん閉店についても少し伺う。閉店は少し前に決まっていたので、とのことだったが、そうは言っても今聞くのは普段とは違うキツさがありますよね、と。

夜、考え続けても答えが出ず、苦しくなり、古書組合の仲間にLINEとDM。来週火曜の市場について、正直なところどう思っているのか、聞いてみる。みんなそれぞれに不安はあるけれど、店の売り上げが見込めない今、市場が止まってしまったら、ネット販売するにも売るものを仕入れられないと困る、あるいは在庫を売る場がなくなると困る、という思いだった。

明るい話題はどこにもない。けれど、こうして不安な気持ちを分け合える同業の仲間がいるということ、それだけでも救われる思いになる。