日日古本屋

岐阜の古書店・徒然舎店主の日乗です

4月2日(木) 店のない1日目

11時。いつもなら、ゴミをまとめたり、アロマデフューザーをセットしたり、棚を整頓したり、定休日の間に売れた本を棚から抜いたりと、スタッフさんたちが慌ただしく動いている店内に、今日は誰もいない。灯りもつかず、レジの電源も入らない。

昨夜つくった資料を印刷して渡し、Iさんと3人でミーティング。店舗営業お休み中の経営方針を説明する。

とにかく全員が健康第一とすること、各種作業の見直しや倉庫の整理をすること、そして、再開するその日のために、手をつけられずにきた店内のリニューアルや本の全体的な追加入替をしたいこと。

改めて、この機会にやるべきこと、やりたいことはいくらでもあるのだなと実感する。下を向いているわけにはいかない。

午後からはパートスタッフさんが出勤。改めて経営方針を説明すると、ふたりとも晴れやかな表情になってくれる。「今やれることがたくさんあることがわかって、明るい気持ちになりました!」

あらゆる窓とドアを全開にし、花粉いっぱいの風が吹き込むなか、2階事務所でIさんと作業工程の見直しや必要な備品の選定を進める。スタッフさんには、本来なら今週末に開催するはずだった100均まつり用の本の片付けを進めてもらう。

穏やかな光と、時折起こる笑い声。途中、お菓子を引きあげに来られた「本と道草さん」も交えて、近況報告をしたり試作品の話をしたりする。セットものの通販商品を巧みに梱包するスタッフさんに見惚れる。Iさんのガッツポーズをみんなで真似てみる。

悪いことばかりじゃない、と、思えるように過ごす。前を向き、歩を進める。スタッフさんたちと笑い合えば、そんな力も湧いてくる。それを確信できた1日だった。

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新しくなったアプリで「太田上田」を見ながら昼食。

太田さんが、チャップリン「街の灯」について熱く語っていた。観たはずなのにあまり思い出せずにいたけれど、熱の入った太田さんのあらすじ紹介を聞くうち、ところどころのシーンが蘇ってくる。そして、太田さんの語るラストシーンで泣きそうに。

ほんとうに、好きなものを語る太田さんのパワーはいつもものすごい。ぜひ観てもらいたいです。太田さんの熱弁と、「街の灯」。