日日古本屋

岐阜の古書店・徒然舎店主の日乗です

6月12日(金)

朝礼で、アルバイトスタッフoさんの転居をみんなに伝える。突然のことで驚かれるが、それが当然の反応だろう。3月から来てくれるようになり、たった3か月ちょっと。あまりにも、あっという間。

旦那さんが急に転勤になり、来月には引っ越すことになってしまった彼女。そもそも岐阜に越してきてまだ一年も経っていない。こちらも、旦那さんが転勤の多いお仕事であることはわかってはいたものの、想定していなかった短さだ。わたし自身、父の転勤で小学生の4年間を群馬県で過ごしたけれど、ご主人が転勤の多いお仕事の家族は本当に大変なのだということを、別の立場で改めて知る。気落ちしている彼女に、転居先にある仲良しのカフェを紹介して励ます。

働き始めてすぐコロナ禍に巻き込まれ、店番に慣れてきたと思ったところで通販部隊に配属され、2か月。一緒に休業を乗り切ってきて、ようやく店が再開でき、さあみんなでリスタート!と気持ちをひとつにしたところでのお別れは、あまりにも残念で残酷だ。

「家が、やっと自分好みのいい感じに落ち着いてきたなと思ってたところだったんです」さらに見知らぬ町の社宅に越してゆく彼女のこれからに、幸あらんことを。

 

梅雨に入り、換気と湿度のせめぎ合いに苦しめられる。感染防止のためには入口も裏口も開けないわけにはいかず、しかしそこから入り込む物凄い湿気で、あらゆる本が波打ってしまう。濡れてしまったわけではないので、乾燥すればまた元に戻るとはいえ、あらゆる紙がしっとりして触り心地が悪くなり、棚から本も抜き出しづらくなる。暑さより寒さより梅雨はつらい。こんな日々があとひと月続くとは。

同業の中には、雨の日は換気ができないので、と臨時休業にしている店もある。そうしたい気持ちも湧いてくるものの、一方で、雨なのに足を運んでくださった方をがっかりさせてしまうかと思うと、なんとかして開けたいと思ってしまう。

昨日も今日も、こんな梅雨空の下、次々と買取をお持ちいただいた。自粛期間中はやはり多くの方が自宅の整理をされていたのだろうか。買取はとにかくありがたい。この本をがんばって売らなきゃな、という気持ちが自然と湧いてくる。ともすると下を向いてしまう時間は続いているけれど、無理やりにでも、顔を上げさせられる。

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