日日古本屋

岐阜の古書店・徒然舎店主の日乗です

5月7日(木) 店を再開させる方法

定休日明けの木曜日。月曜夕方から2日半の分たまった通信販売の発送の山を前に、焦ることなく着々と梱包を進めてくれるスタッフさんたち。連休中にできなかったお金関係の事務や入金を進めつつ、本に値をつけるわたし。そういう、店のない木曜日も6回目で、なんとなく落ち着いている。

緊急事態宣言が延長され、休業要請もそれに伴って月末までになった。今日からの分は休業協力金が追加されないということもあってか、さまざまなお店で営業を再開されているのをネットで目にする。悩んだ末の対策をそれぞれに講じられていて、皆さんの苦悩を思う。

少しずつ、再開する際のことを考えなければいけないな、と思い始めている。手指消毒液や使い捨てマスクは今も手に入りにくく、レジを仕切るアクリル板なども準備が難しい。まずはこうしたものの用意ができてからしか無理だろう。同時に何人なら入店していただけるか、行き止まりになるレジ横の棚は封鎖してその棚の本は別の場所に並べるしかないか、長時間滞在の方や話すことが楽しみの常連さんにどう声を掛けたらいいのか、お子さんが床に座ってしまいがちなスペースは無くさないといけない、となるとそもそもカーペット敷の当店は床を触ってしまいそうなお子さんを受け入れるのは難しいかもしれない……100均まつりのように外に棚を出しては?と思っても、皆さん棚の前でじっくり本を選ばれるので、そこで「密」が生まれるだろう……

考え始めると、店を開けることについて、不安要素しかないことを思い知らされる。

再開したら、きっと、待ちに待っていた皆さんが来てくださいますよ!……それはそれで困ってしまいそうですけど……と、嬉しいような泣いたような表情になってしまったスタッフさんと、顔を見合わせて笑った。

店を再開させる方法を考えながら、それに悩み苦しみながら過ごす日々が始まったような気がする。

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タイムフリーの「爆笑問題カーボーイ」で、岡村さんの件について語る太田さんの言葉を聞けてよかった。最近もつづく著名人の死について思うとき、いつか太田さんが死んでしまう日が来たら、凄くショックを受けるだろうなと思うようになった。好きな芸人、とかいうのとは別格の、この人が話すことを聞きたいという気持ちになる人のなかで、いまは一番の人かもしれないなということを、最近いっそう思うようになった。少し年上で、少し先の人生を知っているという点からも、その場所から見えるものを話してほしいと思っているのかもしれない。

もちろん、全肯定で聞いているわけではない。それは太田さんも望まないだろう。「話すことが仕事」という自負のもと、逃げずに言葉にするという姿勢が、すごいなと思う。わたしは、話すことではなく、どちらかと言えば聞くことが仕事の業種なので、話せないことも多い。

もうすぐ、ナインティナイン岡村隆史オールナイトニッポンが終わる時間。フルーツカクテルの缶詰を開けた日を最後に、聴けていない。