日日古本屋

岐阜の古書店・徒然舎店主の日乗です

1月2日(火)

昨夜はいろいろな手を試すもやはり気持ちが落ち着かず、3時過ぎにようやく眠気がきた。結局今日も昼過ぎまで寝てしまう。

15時には初詣へ出かけよう、と昨日話していたので、なんとかそれに向けて動きだす。何か食べなきゃと思うが腹具合に自信がなく、冷凍チャーハンを少しだけチンして食べる。15時半過ぎに家を出て、まずは店に寄り、太閤堂は店の自転車に乗って伊奈波神社をめざす。

見慣れた道を人々が歩いている。参道には屋台が並び、コロナ前のように賑わっている。震災の惨状を動画で写真で文字で追い続けてしまい、その世界のなかに暮らしてしまっていた頭が、一気に現実に引き戻される感覚。わたしは去年と同じく伊奈波神社に自転車で向かっているのだ。わたしはここで生きているのだ。

人混みを避け、自転車を停め、歩いて鳥居に向かう。かなり手前で規制にあい、すごい混雑だねえと話していたら、しばらくして救急車が降りてきた。それと同時に大きく列が進み、救急車対応のために規制されていたことを知る。どういう経緯かはわからなかったが、文句を言う者はいないだろう。特に今は。少しずつ前に進み、30分くらいかけてようやく本殿に着き、手を合わせる。皆が健康で幸せでありますように。笑顔でありますように。

おみくじをひき、熊手を求める。太閤堂は少し迷った末、一番大きいものにする。確か去年は、売り切れてしまっていて買えなかった一番大きな熊手。太閤堂が満面の笑みでそれを求めた一昨年は、欲深いようで、それを見られているようで恥ずかしかったのだけれど、なんだか今年は自分の気持ちにしっくりきたのが不思議だった。われわれ二人だけじゃなく、社員、アルバイトスタッフ、古本屋仲間、関わってくれる方々、家族、そしてお客さまも、とにかくみんなを幸せにできるくらいの福を掻き寄せたい。熊手の大きさはお金でなんとかできるのだもの、欲張ってもいい。

熊手は店に仮で飾って、スーパーに寄って食料を買い込み、久しぶりにたくさん歩いたなあと清々しい気持ちでテレビをつけたら、嘘のような光景が映っていた。周りを縁取る短くも強く残酷な文字と、炎に包まれた飛行機。

もうこれは無理だと思い、テレビを変えてもらう。冷凍野菜と解凍済みの薄切り肉でシチューを煮て、さっき買ったソーセージを焼き、千切りキャベツをクミンで炒め、ロールパンに挟んでホットドッグをつくる。人心地のする夕食。「ドキュメント72時間」年末スペシャル再放送のフジロック回を見ながら食べる。しばらくしたら、やっぱりまだちょっとお腹を壊した。

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なんだか完璧すぎる気がして嫉妬してしまうのかあまり好んでは聴かない「星野源オールナイトニッポン」が急遽、生放送になったので、少し聴いてみる。その心意気に加えて、声質といい、音楽といい、今きっと多くの人に安らぎを与えているだろうなあと思う。ラジオだからこそできること、を感じた。

年末年始はラジオ不足。わたしの生活を埋めてくれるほどにはいつもの番組をやってくれなくて、困る。迷った末、「ミルクボーイの煩悩の塊」は明日にとっておくことにしたので、今夜は「空気階段の踊り場」と、足りなければまた「おやすみミルクボーイ」聴きながら、寝る。