日日古本屋

岐阜の古書店・徒然舎店主の日乗です

1月1日(月)

どうせなら元旦から書きはじめよう、と思っていたけれど、こんな日になってしまうなんて思いもよらなかった。

昨夜は気づいたら3時ごろまで起きてしまっていて、結局昼過ぎまで寝てしまい、しかし「爆笑ヒットパレード」の15時台にダイアンが出るとのことだったので、お雑煮でも食べながら見よう、と14時頃に動きはじめ、しかし昨夜から突然腸だけ不調だったのが一晩寝てもあまり治っておらず、うーん雑煮どうしよう、と思いつつチャンネルをポチポチすると「爆笑ヒットパレード」の気配がなく、慌てて番組表を見るとなんてこと!東海ローカル的なバラエティになってしまっている。一気に全部やる気がなくなり、母にもらった厚切り食パンを3分の1に切り、太閤堂が淹れておいてくれたコーヒーメーカーのコーヒーを飲みつつ食べる。

腸はまだ不安定で、ごーるごると音を立ててぐねる。もう仕方ないので正露丸を飲み、ベッドに入る。電気あんかをお腹に乗せて、あっためてたら治るかなあ、と思ってスマホをいじりはじめる。そうだ、年末のバタバタで返事できていなかった古本屋友だちからのLINEに返事しなきゃ。あけましておめでとう…と書きだしたらスマホから異常な大音量が鳴り響いた。太閤堂がリビングから走ってきた。と直後にベッドが横揺れをはじめ、外から防災無線緊急地震速報を伝えだした。からだを横滑りさせるように、だんだん大きくなってくる揺れ。まだ続く。長い。ほんとうに長い。

そこからはもう、テレビとSNSに齧りつくしかない時間になった。古本屋仲間の北陸勢がとにかく心配で、テレビを近い地名の画面に変え、SNSを検索し、GoogleMapを覗き込む。そのうちに、消息を伝えてくれる声を見つけ、少しだけ安心する。

だからといって、何もできない。被害が伝えられ、それを知り目にしたとて、わたしは今なにもできない。現地はきっと寒かろう、多くの方がつらい時間を過ごしているだろう、こんなお正月にどうしてこんなことにと悲嘆されているだろう。あの人は、あの店は。どこまでも考えてしまい、打ちのめされはじめる。からだから力が脱け、すぐにでも泣きそうになる。

!いかん!それじゃいかんのだ。そうじゃないんだ。今じゃなくて、今だと言われたときに何かができるように、今をできるだけ健やかに乗り切らないといけないのだ、2011年に、遡れば1995年に、それを少しずつ学んできたはずだ。そして今なら、その頃よりはできることがあると思える。

今年も北陸勢の古本屋さんたちとは何度も顔を合わせて、一緒にがんばることになっている。自分は自分のやるべきことを精一杯がんばることで、なにかしら、力になれるはずだ。

どうかまずは皆さんが無事でありますように。皆さんが穏やかに、健やかに、過ごせる日が、できるだけはやく戻ってきますように。

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