日日古本屋

岐阜の古書店・徒然舎店主の日乗です

8月12日(土)

岐阜を発つ前にやらなくてはいけないこと、あとは店の下ごしらえ。古本まつりに合わせて夏季休業にしたので、実質、われわれが全く不在の日は殆どないのだけど、店をなるべく整えていかないと心が落ち着かない。

開店前に、新入荷ワゴンの本を棚に差す。ここしばらく催事準備を優先してきて、店頭用の本の商品化作業が後回しになってしまってきたけれど、ようやく店に手がまわせる。空きの気になる棚もあって心が痛い。

開店するとすぐ、わっとお客様がいらっしゃる。車で本をお持ちくださる方も続き、レジがてんやわんや。こういう感じは久しぶりな気がする。なんとか乗り切った梅雨が終わったと思ったらこの連日の酷暑で、御多分に洩れず、例年より店頭は静かな日々だった。なにせ100均を外に出すことも憚られる暑さなのだから仕方ない。まさか天気予報でまで、またあのフレーズ、「不要不急の外出を控えましょう」を聞かされるなんて。久々のバタバタを喜びつつも、ちょっと息切れしているうち15時もまわる。

夕方から夏祭りで通行止めになることもあり、早めに荷物を積み込みはじめた太閤堂が、かなりしんどそう。猛烈に暑いし直射日光もすごい。車に一晩置き忘れたペットボトルの口が溶けてしまい開かなくなっていた。人間はこの暑さに耐えられるよう進化していくのだろうか。

昨夜の残りの稲荷寿司とオクラ、フリーズドライの野菜入りスープを流し込みながら「やすともの いたって真剣です」見る。なぜかこの番組は見てしまう。夜に備えて一寝入りしようかなと思うものの落ち着かず、自転車で高島屋へ。手土産を買い、無印でブックエンドを買い占める。

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店に戻ろうとすると、賑やかな音に導かれるように、美殿町の夏祭りに向かう人たちに出会う。これという目玉があるわけでもない、気楽な出店とキッチンカーとささやかなビンゴ大会だけの夏祭り。それでも、夏を楽しみたい人たちが、お子さんたちが、多少は涼しくなってきたまちをぶらぶら歩いてやってくる。

運営側は何かしらいつも大変だ。なるべくベストを尽くしたいと思い、そうはいかずに苦しむ。意見の食い違いで心が折れたり、設営撤収で体力も消耗する。それでも、ゼロではなく何かしらがある、ということで、喜んでくれる人は確かにいるのだ。

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閉店まで作業場で100均の商品をつくり、社員ふたりが帰ったあとは緩やかに店番しながら、「日本の古本屋」に夏休みのお知らせを書いたりしていた。暑すぎて閉めてしまった入口を開けてまで来店されるお客様は、夜がふけるほど減っていったけれど、商店街に明るさと涼しさを提供している気持ちで21時まで開けていた。

Inní Mér Syngur Vitleysingur

Inní Mér Syngur Vitleysingur

なぜか夏になるとこの曲を聴きたくなる。前の店の頃から。