日日古本屋

岐阜の古書店・徒然舎店主の日乗です

5月6日(土)

白い曇天。夕方までは降らないというので、100均も除籍本も出すことにする。週末恒例にしている除籍本は、毎週山ほど買いに来てくれる常連さんがいるので、彼のために用意している。

先日、蔵への出張買取で、ぎっしり本が詰まった木箱ごと持ち帰ってきたものがあり、その木箱をスタッフが埃まみれになりながら空けてくれたので、外に並べてみる。SNSで告知する間もなく、本当にもらっていいんですか?とおっしゃるお客様が次々現れ、ぶじ4箱もらわれてゆく。数十年の時を経た木の魅力はよくわかるので、新しい場所で活きてくれたら嬉しいなあと思う。

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弁当を食べつつ「本日はダイアンなり シーズン2」をパソコンのTVerで。なんだろう、本当にここにきてぐっと面白くなってきている感じ。肩の力が抜けたような、開き直ったような編集がいい感じで、バストークの時間が延びたり、裏話もしたり、ふたりのゆるさを際立たせているのがわかる。60分を持て余していた感じが消えて、何度も見たくなる感じにつくられている。お笑いも、編集も、奥深いものだなあと、なんだかしみじみ思う。

GWで、事務系のさまざまな仕事がピタッと止まっていて、値付け作業が捗る。大市も終わったので、イベント出店に向けた準備をしつつ、作業場の整理を始めようと、文庫の詰まったコンテナの仕分けに手をつける。文庫は店頭でもイベントでもよく売れるし、手の小さいわたしでも作業しやすく、決して嫌いではないのだけれど、1コンテナ単位だと単行本に比べて3倍以上の冊数になり、やってもやっても終わらない感覚に囚われるのがしんどい。「爆笑問題カーボーイ」聴きつつ2時間半くらいで3コンテナ、約400冊くらいは作業できただろうか。明日また続きをやろう。

それにしてもカーボーイの太田さん、今どきのジェンダー感、パワハラ感、セクハラ感には引っかかるんじゃないか?!という発言がちょいちょいあってハラハラする。年を重ねるうち「今」と合わないよ、老害だよ、となってしまう怖さについて、最近つくづく考える。いつからそうなってしまう危険性が生まれるのだろう。どうしたら、そうならずに済むのだろう。まずは謙虚に、(実際若くないのだし盲目的に迎合するわけではなくて)なるべく「今」から目を背けずにいることを、ものすごく意識的に続けていかないといけないということだろうか。

 

盛り上がらない天気だったが、お客さまも売上も、この連休で一番になった。哲学や文学やアートなど、高額なものも売れて嬉しい。