大市が終わり、心がずいぶん軽くなった、ら、日記に書くことがなくなってしまった。ふつうの一日を書けばいいのだとわかっているのだけど、なぜか言葉が出てこない。書きたいという気持ちはあるのに、書きたいのはなんかこういうのじゃないんだよな、と思ってしまう。昨日のぶんも、なんとなく、消化不良。
今日は税理士監査の日なので、準備し忘れていることをやらなきゃいけないと思いながらも、なにやるんだっけ、とぼんやりしてしまうので、カウンター上に積み上がった文庫を棚に入れていくことにする。アルバイトさんが増え、しかし大市でわれわれが店を離れがちだったため、新人さん向きの仕事がなかなか作れず、とにかく値札貼りは捗っていく。
開店後、先日お買い求めになった限定本が乱丁(同ページが2枚あった)だったので返品したいという常連さんに対応。きちんと検品はしていて、通販用には記載していたのだが、店売りの値札には書けておらず、パックされたまま買って帰られたため自宅で気づかれたとのこと。記載漏れをお詫びし、返品を受ける。しかし、なにぶん古書なので出版社に交換を依頼するわけにはいかず、乱丁そのものの責任は取れない。
税理士さんが来られ、しばらくして太閤堂が出張買取から戻ったので、太閤堂から大市の報告をしてもらう。先月から代わったばかりの担当税理士さんだが、結果にたいへん喜んでくださる。同業の仲間や、スタッフたち、家族、とはまた違った、われわれと同じくらい真剣に数字に向き合ってくれている同士としての税理士さんに喜んでもらえると、とても嬉しく、励みになる。
大きくても小さくても、商売をするということは数字と向き合っていくということで、そこからは逃れられない。けれど、経理でもあり経営者でもあるわたしひとりでそれに向き合い続けるのは、わからないことが多すぎたのと、数字の深刻な状況に立ち向うメンタルが無さすぎたので、税理士さんをお願いすることにしたのだが、数字面での喜びを共有してくれる存在であるということが、こんなに嬉しいものとは思っていなかった。
作業場に税理士さんがいるので、バックヤードでこそこそと昼食。弁当をささっと食べ終え、コーヒーを餌にウォーキングに出かける。なんとか歩数を稼ごうと、駅前のマックまで行ってみることにする。歩きつつクーポンを調べると、アップルパイがものすごく主張してくる。口中に再現される、あのクリスピー感と火傷感。しかし必死に頭を振り、ホットコーヒーだけを買って戻る。
戻る途中、買取ご案内チラシを、デザイナーIくんが届けにきてくれたと連絡。遠くに来すぎたため、戻った頃には帰られていて残念。しかし、新チラシがスタッフたちにも受けがよい感じなのが嬉しい。あえて極秘裏に?制作を進めて、届いたときの反応をみて、イマイチなら改善していこうと思っていたのだが、これなら安心だ。古書に合わせ、さらに今の武藤さんバージョンのショップカードと合わせると、かなりビビッド。でも古書だけに、それがいい。
17時、税理士さんから先期の決算報告と、今月の監査結果を聞き、今期の目標など話すうち、AI技術などにまで話が膨らみ、テンションが上がったまま閉店時間。新しい担当税理士さんはとにかく前向き、パワフル、起業家的な空気感のある人で、それはあまりに普段暮らしている世界とはかけ離れているのだけれど、そのぶん新鮮な視点からコメントをもらえるので、目の前の古本と数字であっぷあっぷになって視野がギューっと狭まるのが常のわれわれを、ふっと俯瞰にしてくれるところがありがたい。
夕方にあった地震が震度2だったのに何度もラジオでニュースになっていたのに驚く、と、東京出身のスタッフが話していた。
ツヤありビビッドカラーなので上手く撮れない