日日古本屋

岐阜の古書店・徒然舎店主の日乗です

3月24日(金)

自分の心が絵で見えるようだ。大きな波、油絵具で描かれたようなかたまりが、ゆったりじわじわと、暗く、揺れ動いている。慌ただしい時間がくると、そのことは忘れてしまう。けれどまたふいに、その蠢く波が見えてくる。特別なイベントが迫り、イレギュラーな日々が続くと生まれてくるこの気持ち。仕事のことも、スタッフのことも、現在も未来も、自分の手に負えないことが増えてくる。とても苦しい。

ただ、その波にどっぷりと浸かっていられる時期は終わったのだな、ということを自覚している。そのように心は鍛えられ、客観と達観を手に入れ、短い人生の時間をどうしたらなるべく楽しく過ごすことができるか、ということのほうに意識が向かう。

スポーツには縁のない人生だったけれど、サッカーでも野球でもオリンピックでも、「日本を代表する」という最大級のプレッシャーとストレスを感じながら、注目を浴び続けて、後のない一試合に臨むメンタルというのはどういうものなのだろう、といつも思う。そしてそれを乗り越えていく選手の姿に感動を覚える。

場面ごとに気持ちを切り替えること、マイナスのものもプラスに受け止め直して捉えること、きちんと休んで心身をコントロールすること。自己流でしかないけれど、楽しい人生の時間のために、意識する。 

 

そのことを考え始めてしまったらしばらくは力が入らなくなってしまうような訃報が続いて耳に入っている。なのでなるべく考えないようにしている。少なくとも大市までは、思い出の引き出しを開けないように気をつけている。

古本屋というのはほんとうに“エモい”仕事である。読者のもとにある本を買い、次の読者に届けるという仕事のなかで、人生に思いを馳せる機会は多い。感受性が強いタイプには向かない面も多々ある、それでも仕事をするために、感情に流されそうなところをストップさせる技術はだいぶ身についたように思う。

 

月末の税理士監査が終わり、少し肩の荷が降りた気持ち。今日から新しい税理士さんに替わり緊張したものの、きっちりはっきりと口にするタイプの方で、改善すべき点も良い点もしっかり指摘してくれたことは好印象だった。がむしゃらに頑張り続ける日々に、根拠のある自信と安心をもたらしてもらえそう。

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  • 今日観たもの…NHK BSでやっていた、スペインのクリスマス宝くじのドキュメント(幼馴染と楽しむ陽気なおじさんグループも、抽選会に向けて準備する寄宿舎の子どもたちも、とにかくみんないきいきとしていて、とても心が休まった。スペインという国のイメージがまた少し変わった)
  • 今日聴いたもの…銀シャリのおトぎばなし(過去回M-1の話。鰻がポンコツみたいな感じのトークだったけれど彼ら王者なんだよな。ラジオを聴けば聴くほどそうは思えないゆるさがあるんだよな(それが好き))