日日古本屋

岐阜の古書店・徒然舎店主の日乗です

11月3日(木)

昨夜も書きかけで眠ってしまい、今朝、うっかり全部消してしまった。まあなんか、そういう日だったということだろう。

昨日は貴重なまるまるの休日、とにかく寝る、横になって過ごすことにして、夕方、急に味噌汁を作りたいと思えて、スーパーでちょっと高めの出汁パックと新しい味噌を買ってきて、豆腐とわかめとネギの味噌汁を作ったら、ぐいっと、調子が上向いた。ここのところずっと、何か食べよう、と思うと、ぐぐっと喉に蓋をされるような感覚があらわれて、食べたくない、気持ち悪い、と思ってしまっていたのだが(でも無理やり食べ始めれば食べられる)、味噌汁が美味しくできてとにかく嬉しかった。その昔、それこそ苦しい真っ只中だったときに映画館で『ぐるりのこと。』を観て、調子が悪いと料理ができなくなる描写にものすごくどきっとしたのを覚えている。ほんとうに、料理って、自分の調子がよくわかる。

スーパーからの帰り道、運動的に歩数が足りないなと思ってあてもなく歩いていたら、旧徒然舎の建物の前にきていた。たくさんの思い出もあるし、弱った心には感傷的な場所だった、けれど、じゃあこの小さな店でお客さんも売上もなく「趣味のお店なのよね」と言われ続けた日々に戻りたいか?と自分に聞いてみたら、全くそんなこと思えなくて、それはちょっと意外で、そうなのか全然戻りたくないんだ!と確認できたのが面白くて、笑いながら歩いて帰った。

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一晩経ち、心はまた一段階、軽くなっていた。おかずの買い置きもなかったけれど、弁当を作る気が湧き、久しぶりに卵焼きやピーマン炒めを弁当箱に詰めた。うん、料理やる気があるぞ、できてるぞ、と、自分の調子を確かめた。

今日が祝日であることを、なんだかすぐに忘れてしまい、銀行に行ったら閉まっていて驚いたりしていた。お客様も多く、店頭買取もあり、手応えのある一日になった。ありがたい。とにかく、ありがたいという気持ちが、改めて大きくなった。