日日古本屋

岐阜の古書店・徒然舎店主の日乗です

10月13日(木)

目覚めたら眠い。目の疲れがとれていない感じ。まあなあ、おととい昨日と仕事してしまったし、昨夜もなんだかんだで日記書きつつ夜更かししてしまった。とりあえず11月末までは、こんな感じの日々だろうなあ。ご飯も炊いてくれていたけど弁当は諦め、明太子バゲットとコーンスープの残りを飲む。

駆け足で朝礼を終え、「日本の古本屋」のシステムリニューアルについてのオンライン説明会をzoomで見る。カメラとマイクのミュートに最大限の注意を払う。しかし、同時接続100名以上の中にはやっぱりカメラもマイクもばっちりオンな古本屋さんが何名かおられる。接続されるや否や、痰が絡んだ咳払いが大音量で聞こえてきて、ふふふ、いいねえ、こうでなくっちゃ、と思う。説明会自体は、各メニューを操作する様子を画面で見る、というようなもので、どこが変わり何ができるようになったのか箇条書きで報告してもらい、その操作を教えてもらうようなものではなかったので、見た目の変化以外の変化を今ひとつ掴みきれない感じで終わった。でもなんというか、それもまた予想通りではある。いろいろと詰めきれていない感じに対して、苛々するよりは、面白いなあと思えるようになった自分は古本屋らしくなったなあ、なんて思った。

説明会が昼過ぎに終わり、店を開けながら、新入荷ワゴンの本を棚に差す。ここの部分のスピードアップも、売上のためにはやらなければならないこと。その後は作業部屋で文庫の仕分けと、90年代のライトなサブカル雑誌やファッション雑誌の値付け、さらに550円均一で出す図録の値付けをもくもくと。とにかく本で埋まってきている作業部屋を整理するためにも、イベント準備で失われている心の余裕を取り戻すためにも、とにかく黙々と進めていくしかない。

またも根を詰めすぎていろいろ熱暴走してきたので、15時すぎに手を止めてお昼に。セブンイレブンのカットサラダとゆで卵、カップワンタンスープのカレー。これ、美味しいのだ。

スタッフレコメンドコーナーのパネルができたよ、と太閤堂。スタッフに昨日お願いしたパネルが太閤堂に渡され、新刊書コーナーに設置された。すごくおしゃれに作ってくれて嬉しい。結局今日はまだ一冊も売れていないけれど、本が好きなスタッフたちと、わいわい、こんな本があるんだ、いいな面白そう、えーポップなんて書けない!なんてことを話しながらコーナーを作れるのが何より楽しいから、まずはそれでいいのだ。

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それにしても毎週折り重なるようにイベントが控えていて、すべて並行して準備をしていかなければならないのが、どんどんしんどい。イベントに並べる本のコントロールは基本的にわたしが一手に引き受けているので、混乱しないように、さらに最善を尽くせるよう準備しなければならないのだが、いい加減こんがらがってくる。さらに「美殿町本通り」では運営し告知する側でもあるので、発信する情報も多すぎる。積み残していることがいっぱいあるんじゃないか、すっかり忘れて皆さんに迷惑をかけてるんじゃないかと、まだしばらくは怯え続けることになる。

閉店間際、ある古本屋さんからメール。連絡事項へのお返事のあとに、日記読んでます、と書いてくださっていた。お、お恥ずかしい!…けれど、このうだうだとした大声では言えない思いの吐露に共感してくださる部分があり、読むと励みになる、とおっしゃってくださる。他の全ての仕事と同じように、古本屋もまた、たくさんの悩み苦しみ迷い決断を繰り返す仕事なのだ。