日日古本屋

岐阜の古書店・徒然舎店主の日乗です

9月20日(火) 市場へ コメダへ 公園へ

昨日、早めに仕事を切り上げたぶん、という意識も多少はあって、いつもと同じ時間に起きて名古屋古書会館へ。

いろいろな要因から、自分の担当する市場以外にあまり参加してこなかったけれど、これからのイベントシーズンに持っていく本や通販用にする本がとにかく必要で、気合を入れて臨む。下見の時点である程度は入札するものを決めておき、入札自体は太閤堂が担当。わたしは主にイベント用の掘り出し物探しをする。古本屋さんたちから、どうしたの、珍しいね、何か目当てのものあったの、と声をかけられ続ける。

 

ひとしきり入札を終えて、近くのコメダへ。コロナ以降なんとなく足が向かなかったので、かなり久しぶり。メニューが洗練された写真入りになっていて、商品開発もイケイケ感が出ていて、たぶん値上がりもしている。近所にあったので幼い頃から通っていたという太閤堂ほどはコメダに思い入れはないものの、上場したり、買収されたり、そういう世界で経営されていくと、やっぱりこういう感じになっていくんだ、と、改めてしみじみ思う。いまや関東圏でもメジャーで、マスコミもSNSも賑わす喫茶店だもんな。チェーン店の安定感と無機質感は嫌いじゃないけれど、推移を見てきた東海エリアの人間としては、地元で愛される店からメディアで消費される店になったのだなと複雑な気持ちも湧く。

ミックスサンドと、アイスコーヒー(ガムシロ別添え)、太閤堂はたっぷりブレンドを注文。安定感はあった。食べ終えた皿を、急に現れたおばさんに黙って下げられ、会計に向かうと、ぶつぶつ確認しながら下を向いたまま黙ってレシートをずいと差し出された。ふつうなら、なんだよ、となる場面だったが、本部が接客をマニュアル化して一定クオリティにしようとしているだろうに、そうはいかない名古屋のおばちゃん店員の人間くささに、なんだかほっと和んでしまった。あれはあれでいいのかもしれない(本部には怒られるだろう)。

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コメダを出て二手に分かれ、開封と計算が終わるまで、わたしは郵便局でお金を下ろし、散歩しながら時間をつぶした。公園のベンチに、身じろぎせず座るワイシャツの男性がいて、なんだかドラマみたいだな、と思う。公園の周りを歩き、猫をみつけたり、花を撮ったりしているうち、計算終わったから会計に来てと連絡があり、古書会館に戻ろうとすると、男性はさっきの姿勢のまま空を見て座っていた。

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