日日古本屋

岐阜の古書店・徒然舎店主の日乗です

1月13日(水) 今を最善にするしかない

もちろんわかってはいたことだし取り乱しはしないけれど、ねえ、と思いながら、市長の防災無線を今日も聞く。外国人向けの部分が、前よりゆっくりと聞き取りやすく話されていた。

店にいったん寄ってショップカードと買取案内チラシを持ち、知立へ向かう。

久しぶりに見る正文館書店知立八ツ田店さん近くの風景に、昨年5月、緊急事態宣言中に搬入に来た日のことをまた思い出した。不要不急でない仕事が入り、県境を越えられたときの気持ちは、感動に近かった。まさかまた、そんな日々が待っているとはな。

平日昼下がりの正文館書店さんは、いつもどおりにお客様がいるように思えた。ご挨拶のあと、あじさい堂さんが並べ終えられている隣の机に本を並べ始める。すっかり感覚が鈍ってしまっていて、なかなかレイアウトが決まらない。苦戦しつつも、持ってきた本はすべて並べられたが、見た目も、持ってきた本も、大丈夫かな…売れるのかな…という気持ちに後ろ髪を引かれて、手直しし続けてしまう。この心配性は、1日に何十万円と売れるイベントを経験してもまったく治まらなくて、イベントが始まって1冊売れるまでは、ずっと胃が痛い。

帰路の夕陽がとてもきれいだった。テントから、こんな夕陽を眺めたいな、早くキャンプに行きたいな、そんな世の中になってほしいな、と思った。

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家、ついて行ってイイですか?を、なんとなしに見ているうち、どんどん引き込まれていってしまい、歌舞伎好きのマダムが12日間だけの「夫」と病室で撮った一枚だけの写真で、堪らなくなった。共感しすぎないよう途中から身構えて見た、くつしたさん。多額の養育費を払い続ける笑顔のタクシー運転手さん。市井に暮らす人々が、それぞれに歩んできた人生の深さ。

何もかも思い通りになんて、いくわけないよな。諦めたことも、傷ついたことも、たくさんあったけど、今を最善にしていくしかない。やっぱりそう思って、また自分に言い聞かせた。

 

一日中ニュースと対峙しながらずっと考えて、明日からのことを決めた。