日日古本屋

岐阜の古書店・徒然舎店主の日乗です

1月10日(日) 瞼の上では春

今週に入り、いきなりやってきた。

花粉。

鼻は少しぐずぐずするくらいなのだが、今回はとにかく目にくる。痒くて、涙が出て、目の周りがかぶれる。目薬をさすと目の痒みは収まるものの、目薬で濡れると肌のかぶれはますますひどくなる。

寝ている間に無意識で掻いてしまっているのか、目脂にかぶれるのか、起きると目の上下が腫れぼったくて、視界が少し遮られているような感じ。保冷剤で冷やして、腫れが引くのを待つしかない。そうしている間も、痒い。

アレルギー薬はもらってあるし、例年のように気軽にかかりつけの病院にも行けない。年末に蕁麻疹で受診した際、いつも陽気な先生が、防護服にゴーグルとマスク姿で完全防備していて、申し訳なくなってしまった。

わたしの身体は、確実に春が近づいてきているのを教えてくれている。春になれば、暖かくなれば、少しは世界も明るくなるんじゃないか。その微かな希望の接近を知れているんだから、と、メイクではない地雷の目元に耐える。

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学生スタッフがいる日なので手を借りながら、来週搬入の正文館書店 知立八ツ田店さんでのフェア準備大詰め。去年もこの時期に置いていただいたけれど、そういえば前回のフェアは、5月。店舗休業中に急遽声をかけていただいてのものだった。店に並べるはずだった新入荷本を積んで、緊急事態宣言下で初めて県境を越えたのだったな。あのときの有難さ、温かさは、忘れることはないだろう。

 

第3波の渦中にある今、そんな日々にも慣れてきたとはいえ、拭い去れない不安が常にあり、じわじわと続くストレスがある。それはもちろんわたしだけではなく、スタッフも皆そうだろうし、さらにそれぞれの事情も抱えている。

元気がなかったり、刺々しかったり、逆に躁状態のような時もあるスタッフたち。なんとかしてあげたいけれど、しきれないことも多い。母ではないので全ては背負えないけれど、親のような責任は感じる。子供を育てたことはないけれど、試行錯誤し、時にひどく傷ついて、でもそれ以上の嬉しさがあって、教えながら教えられて、人を育てる難しさを感じる日々。でも、そこからは逃げないと決めている。