日日古本屋

岐阜の古書店・徒然舎店主の日乗です

5月17日(日) 「DONATION ZINE」に背中を押される

「DONATION ZINE」が届く。その存在をSNSで知ってすぐ、反射的に注文した。純粋にその内容が興味深くて読みたいと思ったその本を、売ると全額が店の売り上げになるという(仕入価格がゼロ円)。驚くような企画。

クラウドファンディングへのお誘いは、悩みに悩んだ末、どうしても気持ちがすっきりと折り合いがつかず、時間切れもありご辞退したのだったが、このZINEについては、迷いなく手を挙げることができた。以前から少し、その活動とお顔を知っていて、面白いなあと思っていた方が発起人であることも、もちろん決断が早くできた理由の一つではあるけれど、そもそも「本を売ってお金をいただく」ということが営みの自分にとっては、お金の流れがとても自然に思われるこのかたちでなら、寄付をいただくということへの抵抗感や申し訳なさがだいぶ緩和されるのだなとわかった。

到着をお知らせし、オンラインショップに出品すると、飛ぶように売れてゆく。よいZINEだしきっと売れるだろうなあと思ってはいたけれど、それにしても足が早い。寄稿してくださった多くの方々、そしてスピーディーにパワフルに制作を企画し、編集し、発行してくださった発行人の方々に、心の底から感謝する。

次々といただく注文の納品書を印刷しながら、感謝の思いとは別の、湧き上がる気持ちがあることに気づく。このZINEを店に並べたら喜んでくださりそうなお客様たちの顔が浮かぶ。絶対買ってくれるだろうあのお客様の分は取り置きしておかないといけないなあ。並べるなら、入ってすぐの正面だなあ。この段ボールに貼った手作り感のあるPOPが可愛いから目立たせたいなあ。

あ、店を開けたいと思っているな。

 

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真っ先に注文してくださった、リトルプレスファンの喫茶星時さんに、お届けする。テイクアウトで営業再開されたお店で、コーヒー豆とケーキを買う。ケーキって、一瞬で非日常の幸せをくれる食べ物だ。