日日古本屋

岐阜の古書店・徒然舎店主の日乗です

4月16日(木) 慌ただしく始まる3週目

今日から、店のない3週間目。気のせいでなく、確実に、日に日に慌ただしくなっている。

毎日会計ソフトに積み重ねていく売上の額、デッドラインとの差額を見ては、あと何ができる?とずっと考えている。もっとこんなことやってみよう、あんなこともやれるんじゃないか……。焦りで頭が空回りしつつも、追い詰められるとアイデアは次々浮かんでくるものだ。何かやらずにはいられない。

自分のアイデアではなく名古屋の古本屋仲間、LIEB BOOKSくんのアイデア、"1 more book"は、素敵だった。本を注文してくださったお客様に、感謝の気持ちを込めて、文庫を一冊選んでプレゼントする。先日お買取した数万冊の文庫がまだまだ倉庫に眠る当店にとってはぴったりのアイデアで、さっそくLIEBくんに許可を得て、採用させてもらった。

これがしかし、楽しいばかりではなく。例えば、新刊書籍1冊をお買い求めくださった、初めてのお客様に本を選ぶのは、ものすごく難しい。何冊かまとめてだったり、古本のご注文だったりすると、本がヒントになってお好きな傾向も予想できたりするのだが、お会いしたことのない初めての方に喜んでいただく本を選ぶのは本当に難しく、なかなかのプレッシャーがかかる。オンラインショップでご注文くださったお客様の、ご住所と名前をじいっと見つめて(なにがわかるというわけでもないのだけれど)文庫を選んでいった。

Twitterをみてご注文くださる方、メールや電話でお問い合わせくださる方、まるで普通の日常のようにFAXで届く大学公費のご注文。さらには新採用スタッフの入社準備。それらのお返事やご注文の手続き、発送準備、事務、そしてまた新しい商品の発掘と撮影。追われるうちに、ハッと気づけば今日も18時。

もちろん、疲れる。けれど、家から一歩も出なかった昨日より、ずっと元気だ。

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1 more book! 用のスリップ型メモ。徒然舎の牛くんスタンプを押して。

 

このところ、わたしは店でひとりで仕事をしているので(スタッフさんは二階の事務所)、うっすら音楽を流しながら、タイムフリーの深夜ラジオも聞いている(込み入った事務や、アイデアを練るときはラジオを止める)。

明るく話す彼らも皆それぞれに苦境にあって、けれどその上で、暗い気持ちでいるリスナーたちに向け明るい放送をしてくれることが本当にありがたい。「プロだな」と思う。プロを信頼して、心を任せて、支えてもらっている。

夜、ダイアンがYouTubeチャンネルを始めると知る。ものすごく嬉しい。久しぶりに、うわぁっ!と嬉しい気持ちが湧いてきた。楽しくてワクワクする気持ちを思い出させてくれたことも嬉しい。