日日古本屋

岐阜の古書店・徒然舎店主の日乗です

4月23日(木)

店に出勤して「おはようございまーす」と声をかけたとき、スタッフみんなの声が明るいと嬉しい(マスクで口元は見えないから声で判断)。お客様も来店されないし、仕事でも趣味でも外出しなくなったので、ソーシャルディスタンス対策で1日最大3人までにしたスタッフさんだけが顔を合わせる他人、という日ばかりの生活。朗らかなスタッフさんたちで本当に良かったと日々思う。みんなでこの徒然舎という船を毎日必死で漕いでいる。

昼、神田町の和食まるもとさんのお弁当を買う。これからはできるだけ、店に出勤した日は近くのお店でランチを買おうと思う。大きな助けにはならないだろうけれど、ほんの少しでも気持ちが伝われば。ついつい仕事に熱中していて昼ごはんを食べそびれてしまうのを防ぐのと、運動不足解消のためにも、よさそう。

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夕方近く、本と道草さんから連絡がくる。試作品をお裾分けしてくださるとのことで、ありがたく頂戴する旨お伝えすると、もろもろを鑑みて「置き配」方式で箱を置いていってくださる。思いがけず大きな箱を開けると、ぎっしり詰まった台湾風カステラやクッキーと、「10年目のスタートおめでとうございます」のメモ。

「震災の春、徒然舎の棚に元気をもらいに通っていたことを、最近ふと思い出しました」とメッセージをくださった、本と道草さんは、実店舗をオープンしたその日にも来てくださった、最古参の常連さん。その後、お手伝いをお願いするようになり、現店舗への移転の夏は、一緒に汗をかきながらペンキを塗ったり窓を拭いたりした。あの頃からも、もうすぐ6年になるんだな。

本と道草さんのお菓子を頬張りながら、いろいろなことがあった9年を、少しだけ振り返る。経営の面ではもちろん、今が最大のピンチではあるけれど、気持ちの面ではもっともっとつらい時期もあった。そんな頃に比べれば、一緒に働いてくれる仲間がいて、気にかけてくださるまちの人たちがいて、応援してくださるお客様がいるという今は、ほんとうに幸せなものだ。下を向いてちゃいけないなあ、と、また思う。