日日古本屋

岐阜の古書店・徒然舎店主の日乗です

4月10日(金) 時計を動かす

なにか意味深に思ってしまうくらいぴったり、店を休業した先週木曜の11時に、レジの後ろの壁の振り子時計が止まった。毎朝店に来ると、暗い店内にカチカチという音だけが響いているのがいつもの風景。あれ、でもそういえば音がしないな、と思って壁を見上げたのは、その日の夕方近くだった。

さらに翌日、机の上にいつも置いている、開店祝いにイラストレーターの袴田章子さん(当店マスコットキャラ牛を描いてくださった方)にいただいた置き時計も止まった。電池が切れただけだけれど、今日か。

気づいてはいたけれど、それから数日、そのままにしていた。気にしている余裕がなかったのと、店のシンボル的な振り子時計が止まってしまったのだ、というセンチメンタルな悲しみを認めたくなかったのと。

毎日、できることを精いっぱいやっている。それでしか、心を穏やかにできない。悲観的な想像をするのは簡単すぎるので、とにかく顔を上げ前を向かさなければ。

ようやく、振り子時計のネジを巻いた。カチカチ、という音が店に響き渡る。ドアが閉まり、お客様のいない店内には、よく響く。机の上の時計の電池も買いに行って交換した。

さすがに、休業を知らずにご来店いただく方もなくなってきたので、店の電気もすべてつけて仕事している。大好きなお笑いラジオを毎日のように聞いている。フラットで穏やかな気持を保つBGMにはNujabesがいいとわかってきた。気持ちは明るく、意思は固く。 

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(昨夜は下書きだけして眠ってしまった)