日日古本屋

岐阜の古書店・徒然舎店主の日乗です

4月6日(月) 「デッドライン」を確認する

徒然舎にとって月曜日は「週末」だ。1週間分の疲れが溜まってきて出勤時からすでになんとなく疲れていて、今日はゆったり働いて乗り切るぞ、と思っているのが、いつものわたし。今日はまた普段以上に朝から眠くなることがあり、レッドブル(ホワイトエディションは炭酸が弱く甘たるかった)をチビチビやりながら仕事する。そりゃあ、まあ、普段とは違う1週間だったもんな。

 

「日本の古本屋」に掲載されている本を買いたいのだけど、近いから店に取りに行く、というお客様からのお電話。すでに店は店らしい状態でないこともあり(倉庫から運び込んだ、作業前の本がそこここに積んである)、あまり気乗りはせぬまま、といって断ることもできず、お受けする。

程なくして到着されたお客様の車に、本を入れた袋を持ち近づくと、思いきり手を伸ばしてバトンを渡すように、あるいは猛獣に餌をやるように、お札を渡された。運転するとき邪魔でマスクをされていないからというお客様の心遣いによる仕草なのだとご説明くださり納得はしたものの、やはりなんだか寂しくなる。まだしばらくは、店は開けられないな、と改めて思う。

 

税理士さんに連絡し、今月を乗り切るための「売り上げデッドライン」を確認する。普段なら、ああ、それならなんとかなりそうだ、と思える金額だったが、徒然舎の売り上げの柱の一つである店売りがゼロ確定の今は、焦る気持ちばかり湧き上がる。

信販売に力を入れるしかないとはいえ、明るい前途が見えているわけではない。切り替わり時期であることに加え休校延長など混乱もある中で、大学公費のご注文もまだしばらくは増えてこないだろう。全国、ひいては全世界等しく不安に襲われるなか、高い本がどんどん売れていくということもなかなか起こらないだろう。店やイベント関係の仕事がなくなってしまった分、これまであまり通販に関わっていなかったスタッフにも仕事を覚えてもらえているけれど、商品の流れも含め、万全の体制に整えるには時間もかかってくる。そして、古書の業者市、交換会も、いつものようにはいかない。

冷静に、シリアスに、状況判断と決断を続けつつ、スタッフと冗談で笑い合う余裕は忘れないようにする。自分はメンタルが弱いことはわかっている。けれどだからこそ、視野を狭め、内に籠ってしまうことは危険だ。心のキャパシティを満タンにしないように努め、考えられる頭を維持していきたい。徒然舎は、自分ひとりのものじゃない。