バックヤードに異様な存在感を感じて、見ると「すち子のねぶり飴」があった。「1年に一度は新喜劇見ないと落ち着かないんですよ!」というスタッフさんからの大阪土産で、笑った。
ダイアンのラジオでも朝日出版社さんのメルマガでも「グランメゾン東京」のキムタクが絶賛されてたよ!と、わたしにその面白さを熱弁してくれていたドラマ好きのスタッフさんに話して、笑った。
去年のセンター試験はコイツが話題だったんですよ!と、リンゴ羽根キャラの画像を見せてもらって、笑った。
ここのところ、新スタッフ採用のこと、そしてその理由としての全体的な仕事量の増大と停滞について悩み続けていて、眠りの浅い夜も多い。朝から心と体がなんとなくボンヤリと重いまま、店に着く。今日もがんばらなければ……そうは思えどスイッチが入らない。気づけばマイナス思考に心を乗っ取られそうになっている。
そんなとき、スタッフさんと言葉を交わし、笑っていると、自然に気持ちが上向いていくのを感じる。指先まで血が通い、あ、動けるぞ、動きたいぞ、という気分になってくる。
9年前の開店時のまま独りで、あるいは夫婦2人で、徒然舎をやっていたら、どんなだっただろう、と時々想像する。気楽さはあっただろう。お給料のことや、そのために必要な売上のこと、また職場環境や福利厚生のことなど、考えなくてよい分、負担も少なかったかもしれない。
けれど、スタッフさん無しの「徒然舎」だったら、この古本屋仕事は、わたしにとってもっともっとしんどい、孤独な、苦しい仕事になっていただろう。そしてそれは店自体にも伝わり、お客様に楽しんでいただける場所にもならなかっただろう。
素敵な新しい仲間に出会えますように、と祈りながら、また明日も。