日日古本屋

岐阜の古書店・徒然舎店主の日乗です

3月29日(金)

暖かくなる、との予報どおり奇妙な気温に違和感を感じて早朝に目が覚める。嫌な感じで寝付けない。昨夜見ていた鬼越トマホークのYouTubeチャンネルの三四郎・相田インタビューの続きをAirPodsで聴きながら横になる。結局全部聴いてしまったので、公式にアップされた「ダイアンのラジオさん」先月分を聴いていたら眠れた。ほんと、ダイアンふたりの声と笑い声は落ち着く。

風が生温い。朝礼のあと、新入荷ワゴンを棚に差すつもりが、カウンター上の大判やセットもの、紙ものを撮影して棚に差し、新刊棚に亀鳴屋のコーナーを作っていたら開店時間になってしまった。

今日は、昨日倉庫から持ってきたものにどんどん値段をつけて関西蚤の市の準備をするぞ!と思っていたが、結果、全く進まなかった。

4月後半のシフトを調整しながら、太閤堂の原稿を校正していると、ここのところ毎週買取をお持ちくださるお客様が来店されたのでお支払とお話をしてまた本をお預かりする。一息つくと、リトルクリエイティブセンターのIくんが、新ショップカードを納品に来てくれた。今回は久しぶりにプレーンなロゴデザインで、2色展開。キリよく4月から配ることにする。

せっかくなのでIくんと柳ヶ瀬の喫茶店コメディアンへ。15時前だったからか、店内はなかなかの賑わいで、これまで座ったことのない席に座る。改めて「岐阜駅 本の市」のデザインのお礼を伝え、またぜひ来年も、とお願いする。近況やら昔の柳ヶ瀬のことやら話していたらあっという間に時間が経ってしまう。また夏に「岐阜駅 本の市」の決起集会的なごはん会しましょう!と約束して別れる。

f:id:tsurezuresha-diary:20240330011315j:imageランチの牛しゃぶカレーはたっぷり肉も入っていて美味

店に戻ると、市役所から電話があったとのことで急ぎ折り返す。住民税関係のことであれこれ話しているうち、保険会社の担当者さんが来られてしまう。災害保険更新の手続を済ませ、またほうぼうに電話して、ひとまず落着。ホッとしていると、ふと、今日が29日であることに気づく。慌てて銀行へ向かい、店や事務所、倉庫の家賃を振り込む。「岐阜駅 本の市」以降、イベントやら決算やらお金まわりのあれこれをやりすぎて、すっかりいつもの仕事が頭から抜け落ちていた。

なんだかどっと疲れて、作業場で30分だけ値付けなど。明日はもう少し集中して、本にさわる仕事を進められたらいいな。

 

  • 休日〜今日までに聴いたもの…爆笑問題カーボーイ、ほら!ここがオズワルドさんち、有吉弘行のSUNDAY NIGHT DREAMER、ミルクボーイの煩悩の塊、銀シャリのつなぐRADIO、空気階段の踊り場(子供の話になったときのもぐらの反応がいちいち切なくて)、ダイアンのTOKYO STYLE(珍しく漫才の話。おろしたての白スニーカーは嫌いそうなユースケ、漫才も馴染んだ感じになるまでしっかり練習する派。ネタがギリギリなんて絶対無理な津田。こういう価値観ひとつひとつがずれていると解散に向かうのだろうなあとしみじみ思う)、銀シャリのおトぎばなし(鰻さんの南アフリカ旅行トーク北斗の拳が好きな人におすすめ」に声出し笑った。ぜひ聴いてほしい!)

3月28日(木)

寒さはほどほど。ようやく冬の出口が見えてきている。そりゃあもう3月も終わりなのだからそうだよなあ。寒いせいでまだ冬のような気持ちで、関西蚤の市まであと1ヶ月だとはとても思えない。

朝礼のあと、倉庫へ。関西蚤の市に向けての準備を本気で始めなければ。この期間、催事に持っていくものの全貌が見えてくるまでの期間が、何度経験しても精神的にきつい。商品が揃ったな、これで安心だ、と一瞬ホッとするものの、次はどう陳列するかで悩み始める。当日、陳列を終えてイベントが始まり、お客さんたちの様子をみて微調整していく、そのうちに「これでいこう」という形に落ち着く、そこまでいってようやく肩の力が抜け、イベントそのものを楽しめるようになるのだけれど、ここまでの道のりは、いつもなかなかに険しい。挫けそうになることも多々。それなのに今年もほぼ毎月のようにイベントがもう決まっている。おかしなものだなあと我ながら思うけれど。

[ここまで書いて寝落ち]

3月25日(月)

朝礼前にスタッフから「2階の鍵がヤバいです」と写真を見せられた。ぐにゃりとねじれるように反った鍵。そもそも鍵の幅が半分くらいしかないんじゃないか。いまオグテイさんがある場所にあったうどん屋、田毎さんの飲食スペースだった2階をそのままの状態で借りたのは何年前だったか。机と椅子を片付け、エアコンを新調し、カウンターを壊し、少しずつ直してきたけれど、ドアは勝手に直すことができず、騙し騙し使ってきていたが、さすがに、限界が近づいているようだ。大家さんと連絡をとってくださっているミユキデザインさんに相談し、写真を送る。

 

朝礼のあと、新入荷ワゴンの棚差し。美術と詩、海外文学が多め。数年前、詩集を集めておられたお客様の本をまとめて買わせていただいたときに詩のコーナーを大きくできたけれど、今回の入荷でその時以来の大きな入れ替えができている。

あるジャンルのまとまったコレクションを買わせていただくたびに、そのコレクション全体をもとにたくさんのことを学ぶことができる。知らなかった作者や出版社や作品、本に出会う。一冊ずつ見ていくと、その繋がりが見えてきて、コレクションされた理由もわかってくる。古本屋として、そういった学びの積み重ねはとても大切で、とても面白く、とにかく飽きることがない。

 

給与明細を渡す、という大切な仕事を忘れずに果たし、徒然舎的一週間が終わる。この寒暖差、というか沁みる寒さ、時に吹き荒れる暴風、冷たい雨、そして花粉に翻弄され、今週はなんだかやけに疲れた。

エネルギーが切れかかる中ぼんやりと現金在高を確認して、「岐阜駅本の市」をご紹介くださったブログ記事に修正依頼を送るところまで終えたら、帰宅。

f:id:tsurezuresha-diary:20240328012933j:image誕生日だったスタッフさんのために太閤堂が買ってきたケーキ

 

 

3月24日(日)

太閤堂は朝から大市へ。理事長の職にあるので大会委員長としてなにか挨拶するらしい。クリーニングしておいたジャケットは持って行ったようす。

朝礼のあと、混沌としていたレジカウンター前の文庫と大型セット本を撮影して棚に差す。最近は岩波文庫の赤が入荷することが多くて、追加しては売れていくものの、徐々に増えていっているのが嬉しい。

寒いし雨だし暗いけれど、コンスタントにご来店があり嬉しい。買取のお持込もあり、昨日お預かりしたお客様も皆さんいらっしゃる。「岐阜駅本の市」以後、特に事務がなかなか締まらず、そこに決算も重なって、しばらく棚の手入れにじゅうぶん時間を割けずにいたけれど、ようやく向き合える。次のイベントも控えているので心の片隅は落ち着かないけれど、店の手入れと準備を両立していかないと。

以前、求人記事のモデルになってくださったり、とにかくいつもお世話になってきたリトルクリエイティブセンターのSさんが今月末で退社すると挨拶に来てくれる。残念、だけど、ずっとここまで休みなくがんばっているように感じていたので、自分が会社員という立場だった頃の気持ちを思い出すと、ちょっと立ち止まってみる時間も必要だったのだろうなあ、と思う。ただ、経営者の側からの視点だと、退職はショックだし、簡単に穴埋めはできないだろうし、いろいろと大変だろうなあ…と考えてしまう。

家から持ってきた冷凍オムライスと、ほうれん草とベーコンのフリーズドライスープでお昼。作業場はあらかじめエアコンをつけて暖めておいたので、なんとか過ごせる。「本日はダイアンなりシーズン2」クセのないヤギ汁そばをユースケに食べさせたい津田。奥さんがブログに書いていた通り、美味しかったものは人にも食べさせようとするようになっているよなあ。それを西澤も食べる。昔、一口ちょうだいは嫌、って、2人とも話してなかったっけ。なんだか微笑ましい。

明日の給料日を前に、給与振込の予約手続。本来はもっと早くやりたかったけれど、「岐阜駅本の市」の振込で連日、一日の限度額に達してしまい、ギリギリになってしまった。今月になって急にバンバン振り込むので何か怪しまれているのか、いつもと違う確認をされて手間がかかる。安全策をとってくれるのはありがたいけれど面倒ではある。しかしこんなことをBOOK DAYとやまやTOKYO BOOK PARKの方々はやってくれていたのだよな…と、本当に改めてありがたみを感じる。そのご恩は、岐阜駅本の市で返していけたら。

作業場に戻り、手を真っ黒にして文庫を仕分けていたら、太閤堂が帰ってきた。せっかくなので、買ったものも引き取ってきたとのこと。伝票を見せてもらうと、わたしも太閤堂もスタッフもそれぞれ数点ずつ買えている。久しぶりの大市入札だった割には健闘できていてホッとする。

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  • 今日聴いたもの…空気階段の踊り場(鬼越トマホーク坂井の結婚式に元アイドル妻のオタクたち参列。かたまりが倒れて、電話を繋いだファンがそれぞれみんないい感じ)、アンガールズのジャンピン(そういえば聴いてなかった、と思ってオードリーANNアンガールズ田中ゲスト回を頭からちょっと聴いてみて久々に若林の声と喋りを聞いたけれど、なんというかどうもしっくりこず、冒頭の1人トークの途中で切ってしまった)

3月23日(土)

朝8時に地震、震度3くらい。急な揺れで、すぐにおさまったので、震源が近いかなと思っていたら美濃中西部だった。外は薄暗くて雨で11度の予報。春じゃないじゃん、と思うが、春ってこんなもんだったかな、とも思う。春を美化しすぎているんじゃないか。

昨日の終業後、会場写真を見ていたら、せっかくだし見ておきたい、と思えて、急遽わたしも太閤堂とスタッフと一緒に古書会館へ。

いろいろな面であまり得意でない、大市。それなのに「見ておきたい」と思ったのは、去年、運営側だったときの記憶がまだしっかりとあって、懐かしんだり比べてみたりしてみたい、と思ったのが大きい。何度か経験してきた大市の運営のなかで一番、苦でなかった去年。

大市会場となった名古屋古書会館は、いつもの場所なのにいつもと違う顔をしていて、やはり少し不思議な感じ。ただ、多くの見慣れた古本屋さんたちの顔や声で、地元の大市らしい安心感を得る。あれは凄いぞ、あれに入れたか、いくらになるんだろうな、等々、古本屋さんたちの声を聞きながら、ゆっくり会場を見てまわる。こんな機会でないと見られない、触れないものをじっくり手にする。とくに自分が普段はあまり出会う機会のない和本、紙ものは、純粋におもしろい。相場もあまりわからず、現段階のうちでは店でも催事でもあまり馴染まないので、見て触って学ぶばかりだけれど。

途中、3人でガストへ行き一息つきながら札を考え、ふたたび鉛筆を握りしめていくつか入札し、岐阜へ戻る。ようやく雨が止んできた空はちらりと認識しただけで、道中ほとんど寝ていた。

店に着いたのは17時半。予定より遅くなってしまい、留守番してくれていたスタッフに謝る。あまり時間もないので、事務を少しと備品の注文を進める。今日お持ちくださりお預かりになっていた店頭買取のお客様2人にお電話して、営業終了。明日はカウンターにある新入荷本を棚に入れないと、溢れそうだ。新入荷ワゴンの写真を全然アップできていないのも気にかかっている。しかし次の催事も迫っているし…ほんとうに時の流れは、人生の日々は、速くなるばかりだ。

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  • 今日聴いたもの…ハライチのターン アフタートークまとめていくつか

3月22日(金)

昨日よりは暖かいらしいけど、やっぱり寒い。

今日は税理士監査の日。2月分の監査であり、前期の決算のための監査でもある。おかげさまで、ほんとうに、お客様と、スタッフみんなのおかげで、数字としては決して悪いものではなく、初めて自分たちにも賞与を出すことができたり、満足のいく第3期だったのだけど、いかんせんわたしはお金と向き合うのが苦手で。今日はお金に向き合う日か、と思うともうそれだけで気持ちが塞ぐ。税理士さんに数字を解説していただきながらも、どんどんしんどくなる。この調子で頑張っていきましょう!と言われているのに、辛い気持ちになる。臆することなく手元のお金を使って本を仕入れて、ぐんぐん前に進んでいこうとするのが太閤堂なら、その状況がチキンレースに思えて、あまりお金を使ってしまいたくない、手元のお金が減るのが怖い、と思ってしまうのがわたし。おふたりのバランスをとりながら、が結果的に良かったと思いますし、これからもそうしていきましょう!と、税理士さんはいつもにこにこと言ってくださる。それでもやっぱりお金の現実に向き合う時間そのものは、今日もまたしんどくて、どっと疲れた。

「岐阜駅 本の市」出店者さんの売上は、ようやく全店に振込完了。あとは市場で直接渡すことになっている2店だけ。これで9割は「岐阜駅本の市」を締めることができたことになる。ちなみにこの振込作業もまた、どれだけ確認しても間違っている気がしてしまうたちのため、苦手な仕事だけれど、毎月何度もやることになる、わたしの仕事。

お金のことばかりで心が磨耗したので、最後の2時間は本を触る仕事をメインにする。先日お買取した、昭和初期の日本近代文学などを、改めて検品して値付けしていく。この時代のものがまとまって入るのは珍しく、触っているとやはり嬉しい。夏目漱石谷崎潤一郎永井荷風、それに小村雪岱。時代を超えてきた「本」の力を感じる。

それにしても今日は一日中、心のどこかに、ドジャース大谷の通訳のギャンブルの一件が、ずっと引っかかっていた。お金のことを考えさせられる日だったこともあるとは思うけれど。昨日までの、ただただ輝く大谷を追った報道を、どうしたらいいのか分からず、各局とも何だか微妙な取り上げ方になっているなあと思わざるを得ない。いろいろと切なくなる。

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  • 今日聴いたもの…銀シャリのおむすびラジオ(本を読む話。先日のハライチといい、入院中の津田といい、思いがけず「芸人さんと本」のことを思うものが続く。移動時間があって本を読む環境が整えやすいのかな、と思ったりする。とにかく気楽に本を読んでいるようなのが嬉しい)、ハライチのターン(車って前後10センチずつ短くできたりするものなのか…)

3月21日(木)

なんて寒いんだ。先日、店の隅っこに売れ残っていたのを買ったセーターを引っ張り出して着る。着るのは来冬かなと思っていたのに。

朝礼のあと、太閤堂と銀行、からのセブンイレブン。ATMから入金して、ようやく「岐阜駅本の市」の売上振込準備が完了。店に戻り、振込を始める。と、すぐに一日の振込限度額に達してしまい残りは明日へ。そうするうち、アクティブGさんから売上報告へのお返事をいただき、社内でもイベントを評価していただけたと伺い、胸を撫で下ろす。やっと、イベントの終わりが見えてきた。

寒さのせいか、祝日明けだからか、例年通り年度末だからか、ご来店は少なめ。一区切りついたところで作業場へ行き昼食。何も思いつかなかったので太閤堂に言われるまま買った、チルドカップのおでんと、昆布おにぎり。プラス、寒さをなんとかしたくて無印のミニラーメン、トムヤムクン味。「ダイアンのガチで!ごめんやす」空手回見つつ。型で汗をかくダイアン。これもスポーツなら、Switchのフィットボクシングで汗かいても一応スポーツってことでいいかな?

明日が税理士監査なので、先月分の経理をあれこれ締めていく。株式会社徒然舎、第3期の最終月。毎月の税理士監査はめんどうだし大変だけど、それがあったからこそ今までやれてきているのだと思えるのは、最初に確定申告だけお願いした税理士さんとではとんでも無いことになってしまったこともあったから。苦しい日々を必死に漕ぎ続け、痛い目にも遭いながら、これでも少しずつお金のことを学んできたもんだなあ。

夕方、週末に迫った名古屋大市への出品と差し入れに行っていた太閤堂が戻ってくる。どっさり買っていったツバメヤのどら焼きを喜んでもらえたようで、喜んでいる。われわれ千中会が必死に開催した全古書連歓迎大市会からももうすぐ一年ということか。ほんとうに早かったな。あんなに大変だったのに、すっかり忘れてしまうものなのだな。

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  • 休みの日〜今日聴いたもの…有吉弘行のSUNDAY NIGHT DREAMER(ゲストふかわりょうSNSで“小説”のタイトルのことで叩かれているのを見かけた)、ダイアンのラジオさん(だらだらと1時間近く、近場の芸人のことやら、“ごんぼさん”で時事やらを喋っているのを聴いていると、身体の力が抜けて「休みだなー」と思えるのが本当によいのだ)、銀シャリのおトぎばなし(重い本は読みづらい、最初から文庫でいい、等々。なんであっても紙の本を読んでいる話をしていて嬉しい!)、ダイアン津田の入院報告動画(術前は紀伊國屋カバーの文庫本、さらに術後は文庫もう一冊が机の上にあって嬉しくなる)、三四郎のANN podcast(なぜか夢に小宮が出てきたので、中途覚醒したタイミングで聴き出して寝る)