日日古本屋

岐阜の古書店・徒然舎店主の日乗です

2月20日(月)

今日も朝から太閤堂がいない。平日なので昨日のようなバタバタの波は来ないことを願いつつ、始業。まずは郵便局、銀行をまわって支払い関係を済ます。ちょっと嫌な仕事なので、帰りにセブンイレブンのコーヒーlargeを自分に許す。軽め。

戻って、2階事務所の通販入力済み本棚のチェック。今年に入ってからありがたい買取が続き、在庫が潤沢なので通販入力ペースが上がってきている、のは嬉しいのだけれど、全体の処理の流れのペースが掴みきれていない。広い倉庫で作業しているわけではないので、作業がどこかで滞ると、わかりやすく本が溢れかえってしまう。事務所を広くするのは現実的に難しく、なんとかスムーズで良いペースを見つけていきたい。

武藤良子さんの絵の鵜トートバッグ、追加制作分が届く。第一弾は青、紺、グレーで作ったが、並べたときに少し寂しい気がして、デザイナーiくん指定のイエローや、思い切ったピンクを頼んだら売り場が華やいで嬉しい。自分はどの色を使おうか。

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気づくと15時過ぎで、慌てて作業場でお昼をとる。週に一、二度は食べてしまう冷凍スパゲティの日。結局ミートソース≠ボロネーゼが一番ハズレがない。今日は普通のママー。(青の洞窟の方が美味しいけど少し高い。)

休憩を終えようとしたとき、トロンチさん来店。明日から始まる絵本販売イベント用の本を選びにきてくださる。この時期に毎年恒例で開催してくださっているイベントには、トロンチさんのご常連さんにファンがいらっしゃったりするそう。当店の絵本の在庫から、お好きな絵本をセレクトしていただくので、負担やプレッシャーが少ないのがありがたい。それにしても絵本コーナーも本が減ってきたので早く値付けをせねば。

店の本の値付けと、いくつかのメールをお送りしたら、終業時刻。終礼を終えた頃、太閤堂から「岐阜駅に着いた、シウマイ弁当買えなかった」と連絡。実は、かなり、がっかり。駅で30%オフのエリックカレー弁当を買ってきてもらう。ココナッツキーマカレーは美味しかったので、まあ、ちょっと、機嫌を直した。

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  • 今日観たもの…本日はダイアンなりシーズン2(いつかぜひ柳ヶ瀬ロケを。1時間番組なら、そんなのもいいんじゃないかなあ)
  • 今日聴いたもの…銀シャリのおトぎばなし、オードリーANN途中まで(久しぶりにクミさんの声聞いた)

2月9日(木)

展覧会行ったりとっておきのダイアンを観たりしたけど、心の端が重いまま過ごした定休日明けの朝。頭の隅が重痛いのは花粉のせいでもありそう。

朝礼のあと、アルバイトさんと面談。終えて戻ると、別のアルバイトさんからも面談の希望があり、夕方からに決める。

定休日中に届いていたメールに返信しつつボチボチ仕事していると、身体がぐんぐん冷えて指が固まってくる。寒くてガクガクし始めそうだったので、少し早めに昼休みにする。体感が寒すぎて買いに行く気力も湧かず、カップラーメンにお湯を入れて作業場へ。心なしかぬるい坦々麺を啜りTVerで「ランジャタイのがんばれ地上波」見て笑ってたら、それでもだんだん血がめぐって温かくなってきた。ほんとう、まだ、春じゃない。気を抜いちゃだめだ。

そのまま作業場で仕分け、月曜日の続き。箱ごとにジャンル分けされているのは見やすいのだけど、残念ながら大判の背側を上にして立てて保管されていたお客様で、大きく波打ってしまっている本も多い。なんとかならないかな、と、カーゴに平積みして、上にどんどん本を積んでみる。

アルバイトさんとの面談を挟み、18時まで作業場。いろいろと先のことを考えながら作業してしまい、思ったほど捗らない。18時からは星時さんへ、納品とDMをお願いしに。気持ちが落ち着かないまま時が過ぎ、仕事をしたぞという手応えがなんとなく少なめな一日だった。

いろいろなことを考え、話し、人と会っていかなければならない春になりそう。得意なジャンルの仕事ではないし、環境の変化は苦手で、それだけを考えると気が重い面もあるけれど、たぶんきっと新しいものが見えてくるきっかけにはなるのだと思う。いろいろなことがまた一つずつ動きはじめる春。前向きに、みんなでなるべく楽しく笑って、新しい徒然舎を組み立てていきたい。

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  • 今日観たもの…ランジャタイのがんばれ地上波(無茶苦茶なランジャタイにちゃんと乗っかっていく津田。笑えるのと寒いのとのギリギリ、センスと自己満足のギリギリを攻めて勝っていくランジャタイの勢いがすごい)、水曜日のダウンタウン渋谷凪咲ちゃんがいたけど津田はドッキリ1位じゃなくて残念、ザ・マミィの酒井とはびっくり、クロちゃんの恋愛系のは基本的に見ません)、ダイアンのまんざいさん2022(明日の19時までなので夕飯つくりつつもう一回。最初の南国のホテルのネタが好き)
  • 今日聴いたもの…銀シャリのおトぎばなし(確かに炎上のイメージがない銀シャリ(焼きおにぎり、まる焦げ鰻、鰻さばかれる)。炎上も売れるの一種、ということを考えさせられる。大変だなあ芸能界)、空気階段の踊り場(ちょっとまだ離婚の件が消化不良ぎみに胸につかえていたけど楽しく聴けたので、さすが。女性自身の記事は全部ガセ!いしだ壱成が見上げてたのは夜空じゃなくてコーヒーショップクール!)

2月6日(月)

朝礼の後、月一のミーティング。先月の売り上げを振り返り、通販、新刊書籍、市場など各担当から報告。わたしは店頭担当として、昨年比ではマイナスだったものの昨年より営業日数が2日少ないので健闘したと思う、とさりげなく自画自賛。しかしやっぱりマイナスではいかんのだ。その後は、近々ある買取や催事等のスケジュールを確認しつつ、年間のイベント参加予定をざっと見る。昨年の苦しみを教訓に絞り込んでみたが、現段階でもすでに月に一度はなにかしらに参加出店することになりそう。不安は大きい。けれど、楽しみなのも確か。11月の新宿を最後に遠征もしておらず、出店感覚も鈍ってきてしまった。また東京行きたいな。

ミーティング後、柳ヶ瀬へ。土曜から始まる武藤さんの個展DMを置いていただこうと、ロイヤルビルのpenguin bootsさんとティダティダさんへ。ティダティダさんで昼食のおにぎりと蒸しぱんを買う。近くのロンドンでパンも買う。八百屋を覗きながらセブンイレブンに寄り、今日はコロンビアスプレモブレンドのレギュラーサイズ。結構好み。

作業場で「本日もダイアンなりシーズン2」見ながらお昼。昭和3年生まれの祖母の一個下のお爺さんが、91歳で釣り堀オープンして3年目。それにしても「シーズン2」、時間を持て余してる感じがやっぱりしてしまうなあ。ダイアンの商店街ロケは好きなのだけど…

15時から店番に入る。スタッフが少なく、通販発送が間に合わなさそうということで急遽。新入荷ワゴンを棚に差しながら店番。お客様にレジに呼ばれるたび中断しつつ、なんとか終える。値札貼り作業も滞り気味で、棚に本が足りていない感じがして反省する。

発送が終わったところで店番を交代し、ふたたび作業場で仕分け。静岡の荷物はいったん止めて、昨日市内でお買取した段ボール9箱に手をつける。ジャンルごとに箱に詰めて保管されていたお客様で、整理がスムーズに進む。なかでもケルト、神話、エジプト、古城などは興味深い。閉店時刻までに6箱分仕分け終わる。木曜には終われそう。

終業後、現金をカウント。毎週月曜日に続けているが、なかなかピタリと合わなくて悔しい。決算も近いので休み中に数字を見直すため諸々持ち帰る。みんなを見送った後、21時まで残業して帳簿やメールなど。ああ、やった、明日は休みだ!(でも正文館書店知立八ツ田店の補充には行く!)

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2月5日(日)

朝礼。今日はアルバイトさんが誰もいない。そろそろ考えないといけない。

レジ前のカウンターに積み上がっていた新入荷の文庫を棚に入れていくことから始める。見やすく積み直して撮影してから、ジャンルごとに仕分け、棚に差していく。同時に、長く動いていないものを抜いていく。新入荷ワゴンよりは時間がかからないが、それでも30分くらいはかかってしまう作業。単純だけど、店づくりの要の仕事。

開店直前、店先の100均棚に、倉庫から持ってきてもらった除籍本を追加する。昨日、ユングとJ.S.ミルの著作集はじめ60冊くらいをまとめ買いしてくれた常連さんもいて、かなり減ってしまった。

昨日に続き今日も店頭買取が多い。そして、百科事典の一冊をお持ち込みの方も2件(丁寧に説明してお断りする)。春に向けて、みんな動き始めたのだな、と体感する。買取受付フリーダイヤルもよく鳴り、今日も急遽ダブルヘッダーで出張買取に行っていた。「本が足りなくて困っています、の固定ツイート外して」と太閤堂に頼まれる。足りないっていうから電話したんだが!という電話もきてしまったらしい。

あったかくなってきたな、と思っていたのに、作業場へ行ったらぶるぶる寒さを感じてしまい、先に弁当を食べることにする。久しぶりに手製弁当と味噌汁で昼食。今度は体温が上がって眠い。

そのまま作業場で静岡買取本の仕分けを続ける。静岡へ3回目に行く予定日まであと1週間ちょっと。市場が終わったばかりだけれど多めの買取が続いていて、ありがたいけれど倉庫とスケジュールがどんどん埋まってくる。仕分け作業が詰まり気味でスタッフが重く感じ始めている気配もある。わたしも頑張って仕分けをペースアップして安心させたい。

買取が無かった時期は物凄くつらかった。とにかく売るものがなければ仕事にならず、懐事情も苦しい。とはいえ、大きな買取が続いても、支払でキャッシュが減り、忙しすぎて空気が難しくなったりする。仕入れのタイミングも量もコントロールしきれない仕事だけに、全体のバランスをとるのが本当に難しい。

閉店後、ご近所の美容院へ。ガラッとヘアスタイル変えたいな、といつも思っているけれど、スタイルを考えるための知識も、カラーやパーマのための長時間の余裕もなくて、結局いつもの切りっぱなし。秋に開催予定の「美殿町本通り」と、来週月曜の商店街懇親会のことを話す。

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新ショップカード到着!武藤良子さんの絵と、リトルクリエイティブセンターiくんのデザインが響き合っていて素敵な出来!

 

 

2月4日(土) 医師国家試験、がんばってね

今日は医師国家試験だという。ほんの数ヶ月だけ週1でバイトに来ていた、彼女も受けているのだろう。

「わたしは本や古いものが好きなんですが、いま医学部5年生で、卒業したら医者になる道しかありません。一生、医者の世界しか知らないままになってしまうと思ったら…今、どうしても働かせていただきたいと思ったんです」

面接の時にそう言われて初めて、お医者さんにも医者以外の顔があり、好きなものがあり、迷いや悩みがあるのだという当たり前のことに気づいた。

医学部入学と同時に一家で岐阜に引っ越してきたという彼女は、医者になる道をそれこそ必死に、歩んできていた。「このまま脇目も振らずに、医者として生き続けていくのって、果たしてどうなんだろう、と思うこともあります。でも、もうこの道しか進めないので…」就職活動直前、一緒に開店前の店の棚を整理しながらぽつりと呟いた言葉が忘れられない。医者という人生を選択する重さ。本が好きだから文学部、家を出たいから京都の大学、就職なんてしたくないなあ…なんて、わたしはいい加減に生きていたあの年頃に、こんなに悩み、迷い、期待を一身に背負い、一途に努力しているんだ。

就職は、近くの病院に決まったと聞いた。そこでまた再会するかもしれないね、その時はお世話になります!と笑って手を振ってから4か月。試験、がんばってね。

 

今日もスタッフが一人少なかったので、14時からの2番手シフトで店番に入る。数冊の買取持込が続いたり、わあっとお客さまが集中することがあったりと、なかなか慌ただしい。とはいえ、お客さんなどほとんど来ず、眠くなったらバックヤードで寝ていたあの頃よりはずいぶん幸せなもんだ、と、しみじみ思ってしまう。

どうしても諦めきれずわたしのゴリ押しで企画した除籍本100円均一が、少しずつでも売れ始め、今日は常連さんがユングとJ.S.ミルの著作をまとめ買いしてくれたりして、手応えが出てきたのが嬉しい。一度は売れると思って買ってきた本を、売れなかったら捨ててしまえばいい、とはなかなか思い切れない。もちろん、それが必要な場面もあるし、そうすることもある。ただ、このまま全部捨てることになるのは嫌なんです、と図書館の方に相談されて引き受けた膨大な量の本だけに、なんとか活かしたいと思ってしまう。

店番の後、少しでも静岡買取本の仕分けを進めようと作業場でパソコンを開くと、また「日本の古本屋」がエラーに。何が起きているというのだろう。エラーになるたび、コンスタントに来ていた注文がいったんピタリと止まる。しばらくすると緩やかにまた注文されだすが、エラーのたびに何人何冊何円の注文を逃しているのだろう、と、モヤモヤしてしまう。もちろん、現場の皆さんも大変な日々だろうと思うのだけれど…

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今日もセブンのコーヒー。今日はレギュラーサイズ、「ふつう」、クーポンで10円引き。回数券ほしい。

  • 今日観たもの…(お昼休みとりながら)やすともの いたって真剣です(月亭八光に絡む永野、新鮮で面白い。「八光さん意外と…刺青入ってないんですね」。ダイアン津田レシピを見ずに作るラーメン、ふだん料理を好きでやってると想像できる材料手順なのが気持ちよくて楽しい。でもなんとなく、料理上手キャラとかで売れてほしくはない…)、水曜日のダウンタウンくまモンすごいな、そして突撃ロケを受け入れる皆さんすごいな。押忍はなんかちょっと切なかった)

2月3日(金)

朝礼のあと急いで銀行と郵便局へ。両替や記帳を済ませ、セブンイレブンでホットコーヒーラージ(「軽め」が好き)を買って帰る。

開店時間から、久しぶりに店番に入る。三交代での店番が社員で回せるようになってから、わたしはめったに店番に入っていない。わたしの店番中に店頭買取が入るとレジが止まってしまうためと、来客や事務や作業場での仕分けなど他の仕事に割く時間が増えてきたためだが、ほんとうはマメに店番に入るべきだといつも思っている。店番しながらでないと見えてこない、店の課題がたくさんある。

週に一度は必ず来店されるお客様が、今日は何も買わずに帰られ、イベントの値付けと並行していることで店の本の値札貼りが最近滞っているのを見透かされたように感じ、恥ずかしく思い反省する。

作業場で昼食をとり、そのまま仕分け作業へ。初回に62コンテナ運んできた静岡の買取は、2回目も60コンテナになり、それをひたすら仕分け、値付け、手入れを続けている。次回のお伺い予定も決まっているので、それまでになんとか仕分け終える目処をつけたい。

作業場に本を置きにきた学生バイトさんと話す。いよいよ就職活動が始まるということで、気が滅入っているようだった。なにせまともな就活なんてしたことがないわたしなので大したアドバイスもできない。落ちたとしてもそれは単に「その会社に合わないと思われた」だけの話、合うところに受かるし、受からなかったところは合わないところだから受からなくてよかったってことよ!と伝える。そして、就活だけが「なりわい」への道ではないということも。

店を閉め、帰りの会を終えてスタッフが帰ってすぐに、朝から名古屋に買取に出かけていた太閤堂が戻る。お伺い先の状況も、立地も、なかなかハードな買取だったらしく、結構疲れている。わたしもなんだか目がしょぼしょぼしてしまっているので、そのまま久しぶりに「はま寿司」に行く。意識しすぎかもしれないが、店内はやけに静かでお客さんも少ない。頼んだロール寿司の表面がカチカチに乾いて固まっていて、気づかず食べたら口の中が痛い。開封した寿司が放置されていたのか。バイトの手が足りないのか、減らしているのか。裏側の状況を想像してしまい、いろいろと切ない。

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  • 今日聴いたもの…#むかいの喋り方(一泊10万の熱海の宿でも満たされない「退屈」を思うと、生き残るために毎日必死に考え働いている自分には〈生きている実感〉があるぶん幸せなのかもしれない)、ミルクボーイの煩悩の塊(「マッチョにはギャンブラーがいない」100円が100万に化けるように一日でいきなり筋肉がつくことはない、ジムに通う2時間すらギリギリなのにギャンブルする時間などない)

2月1日(水)

抜け殻の休日。なるべくだらだらする。

目が覚めたら、この日のためにとってあるサンドリとダイアンTOKYO STYLEを手始めに、あれこれ聴く。

太閤堂が見つけてくる本関係のYouTubeなどを見ながら昼ごはん。古い粉が眠っていたので、シーフードミックスとちくわを刻んで入れたお好み焼き。揚羽堂さんの古本屋紹介YouTubeがもう更新されないのが寂しい。

夜、太閤堂がパソコンでなにかやりだしてテレビが空いたので、Amazonプライムビデオで「ペギー・グッゲンハイム アートに恋した大富豪」見る。彼女が開いたギャラリーのポスター?がお洒落でものすごく真似したい。さまざまなアーティストたちの肉声が聞けるのも楽しい。その描かれ方、特に性に関するあれこれの感じは受け止め方が難しいなあと思ってしまったが、戦時下そしてヒトラー政権下での現代アートとアーティストたちについて知ることができたのは興味深かった。

山田五郎YouTubeを見ていても時おり登場する「巨万の富をもつ富豪」というバックボーンというのは、いったいどんなもんなんだ、と最近はよく思う。一生使い続けても無くならないくらいの財産。そんなのがある前提で生きていくというのはどんな気分なのか。たとえば美殿町商店街の空き店舗をすべて買って本屋街にしちゃうとかもできるってことか。すごいなあ。いいなあ。