日日古本屋

岐阜の古書店・徒然舎店主の日乗です

2月4日(土) 医師国家試験、がんばってね

今日は医師国家試験だという。ほんの数ヶ月だけ週1でバイトに来ていた、彼女も受けているのだろう。

「わたしは本や古いものが好きなんですが、いま医学部5年生で、卒業したら医者になる道しかありません。一生、医者の世界しか知らないままになってしまうと思ったら…今、どうしても働かせていただきたいと思ったんです」

面接の時にそう言われて初めて、お医者さんにも医者以外の顔があり、好きなものがあり、迷いや悩みがあるのだという当たり前のことに気づいた。

医学部入学と同時に一家で岐阜に引っ越してきたという彼女は、医者になる道をそれこそ必死に、歩んできていた。「このまま脇目も振らずに、医者として生き続けていくのって、果たしてどうなんだろう、と思うこともあります。でも、もうこの道しか進めないので…」就職活動直前、一緒に開店前の店の棚を整理しながらぽつりと呟いた言葉が忘れられない。医者という人生を選択する重さ。本が好きだから文学部、家を出たいから京都の大学、就職なんてしたくないなあ…なんて、わたしはいい加減に生きていたあの年頃に、こんなに悩み、迷い、期待を一身に背負い、一途に努力しているんだ。

就職は、近くの病院に決まったと聞いた。そこでまた再会するかもしれないね、その時はお世話になります!と笑って手を振ってから4か月。試験、がんばってね。

 

今日もスタッフが一人少なかったので、14時からの2番手シフトで店番に入る。数冊の買取持込が続いたり、わあっとお客さまが集中することがあったりと、なかなか慌ただしい。とはいえ、お客さんなどほとんど来ず、眠くなったらバックヤードで寝ていたあの頃よりはずいぶん幸せなもんだ、と、しみじみ思ってしまう。

どうしても諦めきれずわたしのゴリ押しで企画した除籍本100円均一が、少しずつでも売れ始め、今日は常連さんがユングとJ.S.ミルの著作をまとめ買いしてくれたりして、手応えが出てきたのが嬉しい。一度は売れると思って買ってきた本を、売れなかったら捨ててしまえばいい、とはなかなか思い切れない。もちろん、それが必要な場面もあるし、そうすることもある。ただ、このまま全部捨てることになるのは嫌なんです、と図書館の方に相談されて引き受けた膨大な量の本だけに、なんとか活かしたいと思ってしまう。

店番の後、少しでも静岡買取本の仕分けを進めようと作業場でパソコンを開くと、また「日本の古本屋」がエラーに。何が起きているというのだろう。エラーになるたび、コンスタントに来ていた注文がいったんピタリと止まる。しばらくすると緩やかにまた注文されだすが、エラーのたびに何人何冊何円の注文を逃しているのだろう、と、モヤモヤしてしまう。もちろん、現場の皆さんも大変な日々だろうと思うのだけれど…

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今日もセブンのコーヒー。今日はレギュラーサイズ、「ふつう」、クーポンで10円引き。回数券ほしい。

  • 今日観たもの…(お昼休みとりながら)やすともの いたって真剣です(月亭八光に絡む永野、新鮮で面白い。「八光さん意外と…刺青入ってないんですね」。ダイアン津田レシピを見ずに作るラーメン、ふだん料理を好きでやってると想像できる材料手順なのが気持ちよくて楽しい。でもなんとなく、料理上手キャラとかで売れてほしくはない…)、水曜日のダウンタウンくまモンすごいな、そして突撃ロケを受け入れる皆さんすごいな。押忍はなんかちょっと切なかった)