日日古本屋

岐阜の古書店・徒然舎店主の日乗です

9月11日(月)

一昨日は最悪、昨日は悪、今日はやや悪。いったん「ちょい悪」まで持ち直していただけに、一昨日の「最悪」はメンタル的にも堪えてしまった。なんでこんなことになるんだよ。明日にはなんとかなっててくれよ、と願いながら、とにかく早く寝た。それで今日は、やや悪。まあ、マシな方か。

朝礼のあと、倉庫の契約に。重要事項説明を受け、契約書に押印していく。久しぶりにこういうことをやったが、まだやっぱり少し緊張はする。契約の後、現地であらためて物件確認。雨が降ってきていたので、内見の時にはわからなかった僅かな雨の染み出しを見つけ、対処してもらうことになる。今週中には鍵を受け取る。倉庫の広さも家賃も数倍になる。例によってわたしの胸には特に金銭面での不安が押し寄せてきているが、今は理性での判断が感情の波に負けるタイミングだとわかっているので、とにかく考えるのを食い止める。大丈夫、大丈夫、と言い聞かせる。

夜の鵜飼をキャンセルして食事会に変更したので、何かデザートでもと駅に向かう。ひとまずお昼も済ませてしまおう、とサイゼリヤへ。高齢の方がひとりでじっくりランチを食べていたり、あちこちピアスをした中高生男子グループが時おり音楽を流して通路で本気でダンスしたり、南米?の男性4人が再会を祝すように楽しげに話していたり、駅のファミレスらしい様相を感じながら食べ終えたら、あちこちから電話が掛かっているので早く帰ってきてほしい、と連絡があり、慌てて店を出る。31のつもりだったが注文がまどろっこしいので不二家でシューアイスを買って戻る。

わたしへの電話は、高校時代の演劇部の先輩からだった。大学で教授の秘書をされている先輩から、数年ぶりの連絡。退官される先生の、ご蔵書整理について。そこから話は広がり、研究室のお片付けのお話やら近況報告やらで30分近く話してしまう。お客様と話しているような内容だけど、相手は30年前の芝居の役名で呼んでしまう人、という不思議な時間。

ブログ読んでたら心配になっちゃって、元気?、と、先輩に思いがけなく言われる。やっぱりあんまり体調のこと書かない方がいいかなあ…とも思うけれど(いつも迷いながら書く)、更年期障害の記録かつ誰かの気休めになったらいいなあと思って、書いている。

f:id:tsurezuresha-diary:20230912012345j:image以前よりみっしりと

17時に閉店。断続的に雨も降り出し、お客様も人通りもないので、心置きなく閉店できて複雑。週終わりの現金合わせをしている間に、みんながいろいろ準備してくれる。18時に2階へ行くと、ちょうど育休中のスタッフBさんがきてくれたところだった。2ヶ月ぶりに会った彼女は元気そうで、にこにこしていて、そのことだけで、わぁ、と嬉しくなった。お弁当と徒然舎トートと先月の給与明細を渡し、いまのフルメンバー10人全員で記念写真を撮る。

掛け持ちや学生のアルバイトさんもいて、そしてコロナだったので、こうしてフルメンバーが揃ったのは、本当に初めてのこと。それぞれに、いつも一緒に働いているスタッフさんたちだけれど、一堂に会してわいわい写真を撮れているんだと思うと、こみあげるものがある。古本屋をやろう、と、小さく心に決めたあの日から15年経って、こんな日が来るなんて。

鵜飼観覧船で食べるはずだったお弁当は思っていた以上に豪華で、どの料理も美味しかった。鵜飼に夢中で何気なく食べちゃうにはもったいないお弁当でしたよ、と言ってくれて、なんだか救われる。結果的にBさんにも会えてよかったし、雨でよかった、と太閤堂も言う。こんなふうに、うまくいかないことや嫌なことや大変なことも、なんだかみんなで乗り越えてきたよね。なんて、大仰なことまで思ってしまうくらい、心に沁みる時間だった。20時半、手を振ってみんなを見送る。いい夜だったな。

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