日日古本屋

岐阜の古書店・徒然舎店主の日乗です

西武池袋の日々 8月14日(月)

恐れていたお盆の高速道路はやはりなんとなく落ち着きがなく、大型トラックが粛々と走っているいつもの深夜とは様相が違っていた。とはいえハンドルを握るわけではないわたしは、好きな音楽聴いちゃってね(いつもの、心がざわざわするようなやつでもOK)、と言い残し、ノイズキャンセリングイヤホンをつける。

車が停まった様子で目が覚めると、静岡の駿河湾沼津サービスエリアだった。ちょっと仮眠する、とのことなので、降りてトイレへ。明け方5時前とは思えない一般車の多さ。朝焼けの美しさを寝ぼけ眼で眺めつつ物販コーナーへ向かうと、早朝に入荷したてなのか、これまでここで見たなかで最大の量、生わさびが並んでいる。なんだかテンションが上がり、いいフォルムのものを吟味してカゴへ。そのままあれこれ東京の友人たちへのお土産を物色する。

少し眠った太閤堂は少し元気を取り戻して、少し走って海老名サービスエリアまで辿り着く。東京に入る前に一応、とトイレへ向かうと、7時前にも関わらず大人も子供もテンションが高く、うわあ、となり、慌てて車に戻る。首都高速はいつものような渋滞もなく、そこからはスムーズに池袋に着いた。

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ホテルのチェックインは15時。それまでまだ7時間ある。では車中で一寝入り、とはいかない暑さ。どう乗り切るかを車中あれこれ検索し続け、思い切って大枚をはたく覚悟を決める。ベローチェでモーニングを食べ、1時間ほど車中でうたた寝し、オープンと同時に「タイムズ スパ・レスタ」へ。そもそも高価格な施設、さらにお盆で割増料金がつき、おののきつつも、えいやとプレミアム入館プランを選ぶ。

何はともあれ湯に浸かりたく、浴室へ。ふつうの湯船、というものはなく、露天の炭酸泉に入る。脇にある寝椅子に座る人たちが、座る前と後に、こまめに桶で湯をかけているのが気にかかる。岐阜では見たことはない気がする。人が多い都会で発生したルールかな、なんて思いつつ、よいことではあるので真似てみる。空は見えず天気もわからないけれど風は吹いている。池袋の風を全裸で浴びてるなあと思う。

プレミアム入館のみ使えるというプレミアムラウンジへ向かうと、思っていた以上に暗い。アロマが焚かれていて、芳香剤が苦手な太閤堂は大丈夫かなあと気になる。ブースはしっかりしたパーテーションで区切られ、フルフラットにもなるシートにトゥルースリーパーが敷いてある。ブランケットがあり、耳栓やアイマスクも置いてある。整いすぎていてなんだか落ち着かない。寝転がりながら、地道に、出品商品をSNSに挙げていく。写真を撮った分はとにかくアップしたい。途中、観光地価格のレストランや、思っていた以上によかったリラクゼーションも満喫しつつ、夕方までごろごろ過ごす。今回の旅でいちばんの「観光」だなあ、と思いながら、なかなかの支払いを済ませる。本をたくさん売らねば、と思う。

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ホテルメトロポリタンには泊まり慣れていて、スムーズにチェックイン。これまでで一番、外国人の姿が多い。すぐに寝てしまいそうになるが、最後の力を振り絞って東武百貨店まで歩き、とんかつを食べる。太閤堂を労うには、とんかつ。