日日古本屋

岐阜の古書店・徒然舎店主の日乗です

8月3日(水)〜5日(金)

8月3日(水)

何度寝かをして目覚めたら昼過ぎ。太閤堂はぶどうパンを食べたというので、一把だけ蕎麦を茹でる。冷蔵庫に残っていた大葉と薬味ねぎを刻み、油揚げを焼いて細く切って乗せ、つきごまもかけて、ぶっかけ蕎麦にする。

洗濯機を回して、寝室に戻る。不在中に熱を溜め込んだ部屋の中がずっと暑い。『美術の経済』を読み進めたり、ダイアンのTOKYO STYLEやサンドリ聴いたり、猫ライブカメラ見たりして、だらだら横になって過ごす。体力を回復させるぞ、という意志も持っている。

東京で買った本を積んで写真を撮り、投稿する。改めて、力の入った本屋・古本屋さんの棚や、活気のある古書即売会(プラス東京の市場)で本を見た時間はほんとうに楽しかったなあとしみじみ思い出される。望めばすぐその場に足を運ぶことができる東京の人たちを心から羨ましく思う。…と同時に、反射的に、この気持ちの一欠片だけでも、自分の店で味わってもらえたらなあ、と考えていた。能力的、金銭的、物理的、いろいろな障壁はあるけれど、やれることはまだまだあるように思えた。そんな気持ちが湧いてきたことが、今回のなによりの収穫だった。もっと「わくわく感」を足していきたい。

夕飯には、普通のごはんが食べたいなあと思い、白飯を炊き、冷凍餃子(ちょっと高いけど五味八珍が最近お気に入り)とキャベツ炒め、油揚げと小松菜の味噌汁をつくる。先日、敦賀の買取の時に買った福井の花らっきょうも封を切る。旨い。

 

8月4日(木)

久しぶりの出勤は暗い日。重低音の雷鳴が夕方過ぎまで鳴り響き続け、時折激しく雨が打ちつける。作業場に行ったタイミングで豪雨になってしまい店に戻れず、仕方なくしばらく100均を作りながら雨脚が弱まるのを待った。

昼はコンビニで買ってきてもらったカットサラダとナナチキとたらこマヨネーズ巻き寿司とスープ(中華あじに味噌汁の具を入れてお湯を注ぎ黒胡椒を振る)。この感じの昼ごはんも久しぶりで、ちょっとほっとする。

机に積み上がっていた不在中の事務仕事を片付けていく。いない間にも仕事が動いているなんてありがたいことだと思う。月末月初の帳簿をつけつつ、明日のミーティングに向けての資料作り。

昨日考えていた、新刊書籍のテコ入れについてBさんに少し相談してみると、よい反応で嬉しい。なんとか、楽しみながら、いい棚にしていきたいのだ。

先日通販で本を買ってくださったお客様が、同封されていた「美殿町MAP」に触発されてつくられたというCG作品を送ってくださり、驚く。美殿町のLINEグループに報告。嬉しいお返事をいただくことはよくあるけれど、作品なんて。きちんとお礼を出さなければ。

(ここまで書いて寝てしまう)

 

8月5日(金)

不安定な天気からようやく脱してほっとする。ただ、暑い。

朝礼のあと月一のミーティング。店の売上の漸減、イベントと市場でなんとか踏ん張るも販売手数料がかかるぶん粗利が下がってしまうことなど暗い話題から始まったが、これからのイベントスケジュール確認、そして新刊書籍のテコ入れ策にみんなで取り組んでいこうという話をしているうち、明るい感じになっていく。

思うのは、たとえばうちの店ひとつとっても、全部が全部調子よく、前向きな話題ばかり、なんていうことはあり得ない。そう感じてしまっているとしたら、危ない。いけいけの流れの中にも不安要素は必ずあるし、暗い雰囲気が漂う中にも、必ず明るい兆し、その素のようなものはある。そのことを胸に、なるべく一定の気持ちで、立ち位置のバランスをとりながら、会社全体を見ていかなければいけない。それがわたしの役割なんだな。ということを、だんだん思うようになった。まだまだ内心恐る恐る、手探りではあるけれど。

丸善丸の内本店2階の絵本雑貨コーナーで買った『こんとあき』のシールを、大常連のYさんに差し上げる。太閤堂は、おじさんにシール…?と多少怪訝な反応だったけれど、お渡ししたら結構喜んでいただけた感じだった。わたしはこれまでYさんに少なくとも3冊は『こんとあき』を売っている。けれど、「お好きなんですか?」とは、この絵本の内容を考えると、なんとなく聞けずにいる。ただ、わたしは、読むたびに胸が苦しくなるくらいに、だからあまり読めずにいるくらいに、この絵本が好きなので、わたしの分も買ってあるんですよ、シール。

f:id:tsurezuresha-diary:20220806012703j:image