日日古本屋

岐阜の古書店・徒然舎店主の日乗です

7月2日(土) これが俺のすべて

今日も予報通りの酷暑。店の棚から抜いた本をイベント用に値付けし直す作業を一山ぶん終えて、開店時間に。

くらくらする暑さのなか100均棚を外に出していると、100均常連のnさんと、前の店舗の頃からの大常連yさんがさっそくいらっしゃる。昨日も暑い盛りの時間に、自転車で30分かかるご自宅から週に一度は必ず来てくださるhさんが汗だくでいらっしゃった。こんな日にも変わらず足を運んでくださるのは、いつもの皆さんたちだけだよねえ、とスタッフと話す。

15時の取材の時間まで神戸阪急の準備。昨日の残業で作ってあった分はさっそくスタッフが値札作り作業にまわしてくれて、ありがたいのだけど、台車の上の空バナナ箱が苦しく、ため息が少し出る。

 

15時前にライターyさんいらっしゃる。

昨日に続き今日は、これまでの人生について、お尋ねいただくままにお話していく。幼児期、小学生、中学生、高校生…と、丹念に聞いてくださり、話しているうちに、自分でもすっかり忘れていたことがぐんぐん思い出されていく。

そうだ、こんなことあったな、そうか、思えば40年前も今も、同じようなことを考えて、同じようなことを楽しいと思って、同じようなことをやってるんだ、と、どんどん気づかされていく。まるでカウンセリングを受けているような心持ちになり、阪神大震災東日本大震災の頃の話や、大きな転機が訪れた頃の話をしていると、なんだか声が潤んでしまっていることに気づいて驚いた。

3時間半、その九割五分を話し続け、さすがに声が出づらくなってきたところで閉店30分前になり取材が終わる。

どんな記事になるのだろう。怖かったり、恥ずかしかったりするけれど、楽しみに待とう。それにしても、遠路はるばる猛暑の岐阜まで足を運んでくださる方なんてそうそういらっしゃらないので、本当に嬉しかった。またどこかで、取材抜きで、お話しできたらいいな。(鉄道の話、お聞きしたかった)

 

閉店後、焦る気持ちが戻ってきて、残業。柳ヶ瀬のモスバーガーへ夕飯を買いに行ってもらう。

お伴のラジオは「ハライチのターン」。岩井の選ぶ一曲目は、スピッツ「俺のすべて」。学生時代の思い出が詰め込まれすぎていて、いわばエモすぎるせいで、聴けないでいるスピッツ。そらで歌える、この曲。今日を締めくくるにはぴったり過ぎたし、エモすぎた。でもやっぱり、いい歌だった。

俺のすべて

俺のすべて