日日古本屋

岐阜の古書店・徒然舎店主の日乗です

4月18日(土) 心は制限されない

すっきりした目覚め。ちょっと寝不足気味ではあるものの、昨日とは全然違う気持ち。あたま。よかった、今日は力が湧いてくる。でも、張り切りすぎないように、とにかく楽しむことを忘れないように。

心配をかけてしまったスタッフさんたちに謝ってから、店で仕事スタート。とにかく本を触っていれば落ち着くはずなので、はやる気持ちを抑えながら、着実に1冊ずつ値付けをするという基本に返る。

しっくりくるBGMが見つからず、ポップス、ヒップホップ、アンビエント、クラシック、ジャズ、と彷徨った挙句、ネイチャーサウンドに行き着く。鳥の鳴き声。雨の音。波の音。邪魔にならなくて集中できていいなあ……と思ったけれど、店長がこんなの聞いていることにスタッフが気づいたら変な心配させちゃうのでは…と不安になり、二階から降りてくる足音が聞こえたので慌てて「癒しのクラシック」チャンネルに替える。(今日の仕事の共ラジオは、宮下草彅、かまいたち、と聞いて、爆笑問題カーボーイの途中まで)

月末が近づいてきていることに気づいたので、少しずつ事務も進める。机を片付けながら書類を処理していると、「なんでもなかった頃」のものが出てきて、ものすごく切なくなる。こんなことになるなんて思ってもみなかったのに。…ただ、それは今や日本中、世界中の人たちが共有している気持ちなのだから。

今はあまり考えるのはやめよう。一日一日を、最善と思える過ごし方で、とにかくできるだけ朗らかに、暮らしていこう。

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『ひとまねこざる』のレイ夫妻が手掛けた生前未発表作品『ペンギンくん,せかいをまわる』。ユダヤ系ドイツ人だった夫妻が、第二次世界大戦前夜のきな臭いパリで描いたものだと知り、胸が詰まる。

戦争ではないけれど、命の不安もあり世界を自由に飛び回れないというのは、今も同じ。そんな中で、こんなに伸びやかで楽しい作品、愛らしいキャラクターを描いていたなんて。

身体の自由は制限されても、心は自由になれる。いろんな自由の獲得方法がある。それを忘れちゃいけない。嘆いてばかりじゃいけない。