日日古本屋

岐阜の古書店・徒然舎店主の日乗です

2月27日(木) 旅立ちの日

何せこのようなときなので、ご来店お待ちしています、と大きな声では言いづらく、とはいえご飯を食べるためには本を売らなくてはならず。

淡々と店を開け、やるべきこと、やれることを粛々と進める、という態度にたどり着く。それがいちばん心も穏やかになれる。

 

今日は、6年半、一緒に徒然舎を育ててきてくれたRさんの、最後の出勤日。

小さな前の店舗の開店の日からお客さんとして通ってくれていたRさんが、前のお仕事に一区切りつけられたと聞いて「手伝ってもらえませんか?」と声をお掛けした日から、今日まで。

店の移転という大きな節目を含め、大波小波、ときに台風や猛暑をも、共に乗り越えてきた仲間であるRさん。

一緒に働いているのが当たり前すぎて、そして思い出は有りすぎて、ひとことでは思いがまとまらない。

センチメンタルにひたろうと思えばどっぷりいくらでもひたれるけれど、今は、迷いながらも新しい人生を歩み始めるRさんに、笑顔でエールを送りたい。

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月曜日の閉店後、シフトの入っていないスタッフも駆けつけてくれたので、全員で、Rさんの「壮行会」を開いた。あくまでも「壮行会」にしたかった。

徒然舎ががんばり続けていたら、いつかまた、何かしらの形で、めぐり合うことができると思うから。

ほんとうに、ありがとうございました。

お互いこれからも、がんばりましょうね。

 

8人で4枚の大きなピザを囲んで笑い合った2時間。

ぼろぼろで会社を去った11年前には、背水の陣で鯨書房さんに組合加入を相談していた10年前には、机と箱しかない場所を店にするべくひとりで奮闘していた9年前には、想像もしなかった景色だな、と、何度か思った。

出会いと別れが交錯する日々。涙の先に、なるべく多くの笑顔がありますようにと願う。