日日古本屋

岐阜の古書店・徒然舎店主の日乗です

5月26日(日) 富山3

昨日、駅のニトリで買った低反発枕が合ったせいか、きちんと寝られた感じで起床。嬉しい。部屋を片付け、荷造りし、9時にチェックアウト。駐車場の車に荷物を乗せ、会場へ。

ブルーシートを外し終えると、顔がむくんで目があまり開いていないぽらんくんも登場。約束通り、tくんと、気になるスーパー銭湯の朝湯に行ったとのこと。怪しんでいた割には、ふつうにいいお湯で拍子抜けだったとのこと。浴場の天井にあるという無数の防犯カメラを確認し忘れて残念がっている。と、ぽらんくんが持ってきていたシヴァ神がほしいというお客様登場。スタート前だがあれこれ畳み掛けられた結果、売ってお預かりもしている。

時間ギリギリまで売場を整え、持ってきた分の本をすべて並べきる。単行本の量が少なかったせいで、2日目は文庫の存在感が増した。

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10時に2日目がスタート。ひとまず駅構内のマックへ。こんなことでもないと食べられない朝マックの、マックグリドルセット。甘くてしょっぱい味はやっぱり好きなのだけど、わたしの食べるペースと腹加減的にはヘビーすぎて、最後は少し飽きてきた。ぽらんくんに昨夜の出来事など聞いていると、店内の静けさが気になる、と何度も太閤堂が言う。マックなんて若者がうるさいところのはずなのに、富山のマックは静かすぎて浮いている、とのこと。

今日は14時から当番。あまり時間はないものの、一度行ってみたかった富山県美術館へ行くことにする。運動のため、ひたすら歩く。お、入口かな、と思ってからが結構長い。運河を中心にした公園は広くて気持ちいいけれど、目的地は遠い。12時少し前に入館。遅くとも13時にはここを出よう、と話して展示室へ。

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たぶん子どもの頃、親に連れて行ってもらって見たことがある気がするエッシャーの作品。無限に続く階段が、描き合う手が、敷き詰められたような鳥が、子ども心にとても面白くていっときはまっていた気がする。渋く育ち大人になった今、エッシャーがこだわり、計算して描いた作品にはどうも惹かれない自分がいた。確かに面白いし気持ちいいのだけど、コンセプトアルバムに感情移入できないような感覚があった。もちろん作品としての完成度はすごいし、細部まで見入ってしまう。でも、ほしい!撮りたい!(ほぼ全点撮影可だった)と思ったのは、師・メスキータの影響を感じる初期のものだけだった。東京ステーションギャラリーでみたメスキータを思い出す。メスキータは本当によかった。係の方が勧めてくださるので、恥ずかしいなと思いつつ、体験コーナーにも入る。全体として展示数は少ない感じだったので、時間的に助かった。

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見終えたのかな?と展示室を出ると、あのクマがいた!うちに小さなフィギュアでいる、三沢厚彦のシロクマだ。その視線の先に、建物の外に子グマがいる。外に出ると、大中小といる。力強くも愛嬌のある造形にひとしきり戯れる。テンション上がって愛でていたら結構時間が経ってしまい、所蔵品展のチェアコレクションや、瀧口修造コレクションは駆け足で見ることになってしまった。エットレ・ソットサスのソファの座り心地は意外とよく、瀧口修造の「地球創造説」が行方不明になってしまった悔しさを思い出した。

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急いで会場に戻る。そろそろ足が痛い。新しいスニーカー(1003さんと偶然お揃い)のおかげで足裏は痛くないものの、ふつうに太腿や脛が筋肉痛でだるい。20分くらい、構内のサンマルクカフェに座ってアイスティーを飲み、当番へ。マックグリドルで胸焼けしてお昼は食べなかったが、だんだん空腹感が迫る。そんなタイミングで林ショップさんが差し入れてくださった豆大福が沁みる美味しさ。ラフな包装で手作り感が強い。また食べたいけどお店がわからない。

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レジ担当の古本ブックエンドiさんとお話ししつつ17時まで。「大変だったけど、あの「本の市」の時みたいなレジを打ちたくなりますね」と何度も言ってくださる。たしかに、あのテンパった状況を経験してしまうと、どんな催事も忙しくなく感じる。それは、いいことにもよくないことにも思う。

危惧していた駆け込みレジなどはなく、穏やかな感じでイベント終了となり、撤収開始。みな段取りよく、明るい時間のうちに、撤収の目処がついていく。課題山積みなのにお疲れのぽらんくんは、早めに帰路へ。京都組を手伝いに行った太閤堂を車で待っていたら身体が冷えてきて、ドアを閉めて丸まって待つ。京都組のトラックを見送り、20時頃に帰路につく。インターまでの道中にある8番らーめんで食べたバターラーメンとチャーハンが、冷えた体に染み込んだ。眠くなりつつも堪え、太閤堂に話し続け、0時過ぎくらいに岐阜着。

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