日日古本屋

岐阜の古書店・徒然舎店主の日乗です

1月4日(木)

昨日よりは少しは早く動きだそう、と思ったけれど、結局さほど変わらない時間になる。ヨーグルトを食べ、そろそろ気持ちをオンにしていかないとなあと思いつつ、マックでも行こうか、と話すと、せっかくだし宅配にしようよ、と言われ、デリバリーで注文する。なんとなく、正月気分が少し戻った。

しっかりカロリーを摂ってしまったのでさすがに歩かなくてはと思い、店の氏神であろう橿森神社へ向かう。大晦日や元旦に使われたであろうテントや左義長の準備はあるものの人気はなく、いつものように静かにゆっくり参拝する。

おやこんなところにも祠が、と気づき、ふだん足を踏み入れない辺りに行ってみる。風で揺れる木々のざわめきが大きい。何か話しかけられてるみたいだな、と思った途端、そのざわめきの中に猫のような声が聞こえた。ん、裏山に猫がいるのかしら、と眺めてみるも見つけられず、しかしまたざわめきと同時に猫の声がする。これだけ木々があるのだからそりゃ見えないよなあ、と思い帰ろうとすると、よりはっきりと猫に呼ばれた。たしかに、猫に呼ばれた。足を止めて振り返ると、小さな祠の中からこちらを見る猫と目が合った。わ、祠に猫がいるなんて、ほんとうにあるんだ。なんでしょう、なにかご用でしょうか。ごめんなさい、ご飯はもってないんです。スマホのカメラをそっと向ける。猫はそのままこちらを見ている。太閤堂を呼びに行き、戻るとまだ祠にはいて、でも姿を見るとすぐに降りてしまった。帰ろうとすると、降りた先の側溝からも何度か呼ばれた。

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郵便局と銀行に寄り、記帳したり年賀状を少し買ったりする。店にも寄り、郵便物をとったあと、自分の席に座ってみる。店を閉めているので余計に店内に満ちた、本と本棚のいい匂いを大きく吸い込む。もうすぐ日常が戻ってくるのだな。布団の中で胸を痛めたり芸人で笑ったり関節痛を気にしたりしてるだけのわたしが、この場所でキリッと背筋を伸ばして先頭に立ってまた歩きはじめる日が近づいている。

 

  • 今日聴いたもの…銀シャリのおトぎばなし(ふつおた回はいいなあ、もっとやってほしい。「ステイホームでおかしくなって」やってしまったこと、面白い。)