日日古本屋

岐阜の古書店・徒然舎店主の日乗です

9月5日(木) なんとなく

久々の連休中、とにかくたくさん寝るようにしたら、だいぶ、戻ってきた。火曜にプラセンタを打ち、作りたかったメニューの材料をスーパーでゆっくり買い、夜はごぼうキーマカレー、翌日の昼にサンドイッチを作り、あとは寝るか、ぼんやり本を読むかしていた。重い腰を思い切って上げ、水曜に免許更新できたのもよかった。不安だった視力検査も写真撮影もなんとなく大丈夫だった。タスクがないという開放感。

f:id:tsurezuresha-diary:20240905233351j:imageブルーシールアイスも食べた

 

今日は、本にあまり触れないくらい、それ以外が忙しかった。疲れきった。

朝ミーティング、朝礼のあと、育休明けスタッフと話す。少しずつ、立ち話であっても、スタッフそれぞれと話す時間は持たなきゃなと感じる。

開店。そろそろ暑さも大丈夫でしょう、と、均一棚を久々に外に出す。

新入荷ワゴンの本を棚に差す。お客様が増えてきたら席に戻る、というのを何度か繰り返しながら差す。今、とにかく音楽と美術の本が多く入荷していて、とても嬉しいのだけど並べるスペースが足りない。棚上にまで並べたりしながら今回の分は並べきる。

税理士がいつもより早く、来週には監査に来るため、先月分の勤怠を確認して給与を確定しなければならない。毎月、いろいろと気を使う仕事。途中、有給休暇について社労士に質問メール。振込手続はもう少し先にやろう。

月末までのシフトも決めていなかったことに気づき、調整して確定。みんなに連絡してバックヤードにはりだす。

前の店の頃からのお客さまfさんご来店。暮らし系の本や雑誌をたくさんお待ちくださりお買取。「今度東京に行こうと思ってね、代官山蔦屋書店をゆっくり見て座ってたいのよね、あと恵比寿のファーマーズテーブルにも行くの。」3、40代の頃は、吉祥寺や西荻窪に日帰りで出かけたこともあると伺った。最近は、定年を迎えられたご主人との旅行記を、色鉛筆で手描きしたフリーペーパーにしてくださるfさん。そのバイタリティは、いつも希望に感じる。

だいぶ疲れてきたと思ったら15時。冷凍チキンライスと、買置きのローソンのチキンバーでお昼。どきどきしながら、「チ。」のアニメPVを再生する。セリフの向こうでよく聞こえない。でも歌声はわかる。いかにもサカナクション、という曲だ。すっかり好きになって初めて「新曲」を迎える感情はこういうものなのか。手放しで嬉しいというより、なぜかずっと緊張している。

一息ついたものの、気持ちは落ち着かない。明日の朝の月一ミーティングでの資料作りのため、先月の売り上げを確定させなければならない。これが毎月なかなかに気が重い。手間がかかるのと、数字をまとめて分析して、報告しやすいかたちに整えるのが面倒で、えいや、と思わないと取り掛かれない。もう時間がないので、なんとか、取り掛かり、数字を出し、ミーティング資料にまとめ、議題やイベント出店スケジュールも書き出していく。18時を過ぎお客さまも途絶えた店内に響くキーボードの打鍵音。なんとか閉店時刻までにかたちになる。

 

駆け出しでもなく、老舗でもなく、若くもなく老人でもなく、詩的でもなく、美的でもなく、不幸そうでもなく、清貧でもなく、かといって富裕でもなく、起業家とか成功者とかいう扱いではなくーーということは、今や「徒然舎」は、多くの方が心を寄せてくださる感じの古本屋じゃないんだろうなあ(だからメディアにも見向きもされないんだろうなあ)ーーということを、なんとなくコンプレックスに、なんとなく寂しく、思ったりする。(古本屋という仕事でご飯が食べられている幸せとは、また別のところで。)