初日ではない、ということの大きさに驚く2日目。もちろん忙しくはあるものの、初日のようなレジ待ち大行列、「最後尾はこちらです」の看板とともに交通整理しないといけないような時間帯はなく、それだけいかにお客様が初日に賭けているのかということを改めて感じることになった。
最近ではスタッフにお任せする時間が増えていて、自分の店でレジに立つことはあまりなくなっていたため、ここで接客をし続けていること自体に緊張があり、そして初心を思い出させられることになった。そんな自分の姿を見てみたいなあ、記念に撮っておきたいなあと思い、レジには一切入らないことにしている太閤堂に、こっそり撮ってもらった。
わたしも少しずつレジ当番に慣れてきたが、会場に立っている太閤堂も、売れたそばから補充をすることに慣れてきているらしい。
休憩時間になり、ふたりで記憶を辿りながらなんとか社食に着く。今日も一番安いAセット。栄養士さんの監修なのだろう、とにかく味付けが「健康的」なのにご飯の量が多く、昨日は少し困ったので、今日は蒸し野菜部分にドレッシングもかけてみる。ただ、昨日よりはおかずの味が濃く、なんとかご飯も食べ切れた。それにしても味噌汁の味噌割合が驚くほど低い。味噌文化の名古屋人的な感情に引っかかる。
初日の殺伐とした雰囲気がなくなり、少しずつ会場の空気にも慣れてきて、当番の古本屋さんたちともお喋りをする余裕ができてきた。同じ時間帯に、TOKYO BOOK PARKでたくさんお世話になった一角文庫さんがいらっしゃり、レジの合間にお話しする。
曰く、レアなアイテムを求めるお客様や、特定のお店の熱心な固定ファンのお客様は絶対に初日にいらっしゃるけれど、その後は一般の方の割合が増えてくるので、そうすれば我々のような一般書の店の棚をじっくり見て買ってくださる方も増えてくると思います、との言葉を聞き、少し安心する。昨日の怒涛のレジでは、ぜんぜん自分の値札を切らなくて、うちの本はこの催事に合わなかったのかなあ、新参者には厳しいのかなあ、等々、弱気になりかけていたのだった(ただ、会期を通して自分の値札にはあまり当たらなかった。そういうものなのだろうなあと思う)。
夕方の休憩時間に、昨日気になっていたコーヒーゼリーを喫茶コーナーで買う。甘いソフトクリームと苦いコーヒーゼリーが沁みる。社食はとにかく静かで、雑談している人たちはほとんどいない。コロナでパーテーションができたせいもあるのだろうが、パーテーションの無い席も、たいてい一人で座っている。「机に突っ伏しての居眠り禁止!」の張り紙の前で、太閤堂は頬杖をついて寝ている。昨日の疲れも抜けていないので、昨日より強いチョコラBBローヤル2を飲んで会場に戻る。
閉場後、今夜は一角文庫さんと、東京くりから堂さんと食事。TOKYO BOOK PARKの時はとにかくコロナだったので、あんなに何度も顔を合わせていたのに、ごく短い食事をしたことしかなかった。やっとゆっくり飲めますね!と言い合うも、アルコールを注文したのは一角さんだけだった。わたしが群馬県渋川市に住んでいたことがある、というところから、実は群馬県に縁があったお二人と群馬トーク、上毛かるたトークで盛り上がる。とにかく味が濃いものが、とのわたしのリクエストで食べ放題焼肉に行き、なぜか入口で外国人扱いをされる不思議に遭遇するも、それも含めていい思い出になった。