日日古本屋

岐阜の古書店・徒然舎店主の日乗です

9月15日(日) 中止も開催も苦しい

朝7時20分に起き、商店街理事長からのLINEを見る。天気予報を鑑み、今日のブックフリマは中止するとの判断。返信し、SNSの投稿を作りはじめる。InstagramTwitterにそれぞれ投稿し、少し二度寝する。

いつもの時間に出勤。社員さん1人と、3人で朝ミーティング、のち朝礼。先週お休みだったアルバイトさんから、善光寺のお土産です、と、手のひらサイズの可愛い黒牛をもらう。おみくじがお腹に入っているけれど、その穴に押し込まれた紐も可愛いのでそのままディスプレイのところに飾る。旅先で牛を見て、わたしに、と思ってくれたことがとても嬉しい。

開店前にザッと雨が降り、100均も店内に入れた状態で開店。開店と同時にどんどんお客様がいらっしゃる。そのまま夕方までほぼご来店が途絶えず、なんとなく忙しい一日となる。柳ヶ瀬のサンビルだからかな、と思ったが、雨が降っていないのでブックフリマが開催されていると思って来てくださった方も一定数いらっしゃるようだった。申し訳ない気持ちになる。

この、イベントの開催判断というのは、本当に難しく、苦しい。これまでも、小雨で強行して出店者からクレーム、ゲリラ豪雨のため途中で中止してクレーム、暑すぎてクレーム、寒すぎてクレーム、いろいろあった。中止判断の後に晴れてきたとき悪気ない方から「こんな天気ならやれたよねえ」と言われて傷ついたりもした。出店者側と主催者側の判断に乖離があって、板挟みで苦しんだことも多々ある。この役回りがつらすぎて、悪天候予報だった一昨年は当日に熱を出して寝込んでしまった。そして主催から降り、企画運営協力、というかたちになって2年目の今年は、こんな形で中止になった。皮肉にも今日は時折青空すら覗き、いっそザッと雨が降ってほしい、こんな天気ならやれたのに残念です、などと、何度か理事長からLINEが届いた。

この日のために発注していた「岐阜マン」にサインを入れてもらいたく、どうせなら、と急遽開催した塚原裕基さんのサイン会は苦戦した。イベントの際にお預けしてサインを入れて売ってくださる時には10冊20冊と完売していたのに、今日は店内にお客様がいても近づいてもらえない。難しい。ただ個人的には、塚原さんの作品が好きで、心から応援していることをしっかり伝えられる良い機会にはなった。アックス新人賞受賞は、とても凄いと思うし、とにかくとても嬉しかったのだ。

イベント終了予定の時間になると、外には夕焼けが出ていた。なんだかなあという気持ち。作業場で昨夜の「サカナクション山口一郎のオールナイトニッポン」を聞きながら、久々に淡々とした作業を進めていたら、心が少し落ち着いた。もくもくと手を動かしながら、いろいろなことを考えた。

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