日日古本屋

岐阜の古書店・徒然舎店主の日乗です

9月1日(日) セプテンバー

まだ日曜なんだねえ、月曜みたいな感じだよねえ、と太閤堂と言い合う。今週はなんだか時間の流れが遅い。そんな感じない?と帰りにスタッフに聞いてみたら「イベント続きでお休みがないからじゃないですか?」と言ってくれる。単に疲れているのかな。

朝ミーティングののち朝礼。今日から9月。思いがけず8月の店頭販売は健闘した。皆さんに感謝を伝える。柳ケ瀬無印良品恵那川上屋がリオープンするね、という話も。ニュースで、店内の一角にマイクロライブラリー的なものが作られていると知る。開店前にカウンターの大判新入荷本を撮影して棚に差す。外が明るくなってきて、開店の頃には青空も見える。気持ちも少し明るくなる。

商店街理事長からLINE。再来週の「みとのブックフリマ」の出店要項やブースレイアウトなどの相談。商店街のイベントだけど、当日以外は理事長とわたしだけでやっている。それでいいんだ、と思えるまで時間がかかった。

コンビニでゴーヤチャンプルーと菓子パンを買い、持参していた冷凍チキンライスをチンして昼食。YouTubeで、霜降せいやとランジャタイ国崎の悪ふざけ動画をなんとなく見つつ。楽しそうにしているのを見るのが楽しい。

そのまま作業場で値付け。淡々と黙々と本を触って値段をつけていくこの時間は落ち着く。

アルバイトさんを見送ってから、倉庫へ。阪神百貨店の催事から戻ってきた本を確認しながら、京王百貨店向けに選別して詰め替えていく。気温は下がったものの、倉庫がひたすら蒸し暑い。髪は切ったばかりだけど俯くと顔にかかるのが鬱陶しい。耳にかけたり掻き上げたりして闘っていたら、好きな心霊系YouTuberに似てると言って太閤堂が喜んでいる。

夕飯を食べながら、NHK横尾忠則ドキュメンタリー再放送を観る。若い頃から心酔してきた太閤堂と異なり、わたしは太閤堂と出会うまではあまり知らず、知っている作品やキャラクターもどちらかといえば苦手な部類だった横尾。ただここ十数年の、老いてからの作品や活動、そして本人の言葉に触れていくなかで、クリエイターとして、信頼と尊敬の念を抱くようになった。自分自身を客観視しながら、好奇心を失わず、今できる新しい挑戦を続けていく姿勢。自分もこれからぐんぐん老いていくなかで、見習っていきたいと思わされる。過去の思い出や〈よかった時代〉に縋りながら生きることだけはしたくない。今が、これからが、生きる意味のある時間だと思っていたい。とりあえず、たるんでくすんで醜くなった肌に、くっきりとしたボーダーのTシャツが映えることを学んだ。

  • 今日聴いたもの…ミルクボーイの煩悩の塊(旅に行く話。旅行会社のカウンターで「どこかええとこないですかねえ」と言ったという内海の話は何度聞いても面白い)

 

今日から〈セプテンバー〉だなあ、と、今日は何度も思っていた。

僕たちは いつか墓に生る

苔にもなるだろう

ここで生きる意味 捜し求め歩くだろう

それもまあいいさ