なんだか浮腫む脚をバンバン叩いて出勤。今日は急遽、市場へ同行することに。
倉庫で追加の荷物を積み込み、コンビニで軽いお昼を買って名古屋へ。途中「テレホン人生相談」が始まったので太閤堂がラジオの音量を上げる。なんだか好きらしい。今日は、30年前の浮気疑惑が許せず、70過ぎの夫を責める女性の相談。回答者のひとりに寄り添われ、ひとりにズバリと言われ、泣く女性。なんとなくもやもやした気分だけが残る。
古書会館に少しずつ古本屋が集まってくる。今日は、先日店を閉められた山中書店さんからお預かりした本を出品する作業もある。文化さん、フラハピさん、パパイヤさん、あおい屋さん、遅れてぽらんくんも合流し、預かった大量のみかん箱から次々に本を出して組み上げていく。90箱近いみかん箱には様々なバリエーションがあり、積み上がった空き箱を見てしばらくみんなで盛り上がってしまう。20箱ほどの使い古したみかん箱を、イベント出店の際に愛用してきたぽらんくんが、そのほとんどを貰い受けることになり、これであと30年はいけます、と言っていて楽しい。
皆さんの多くの手のおかげで思いがけず早く作業が終わり、その後は自店の出品作業に注力。出品作業のアシスタントは、普段スタッフがやってくれているので、わたしはほぼ初めて。車の中から荷下ろしをアシストしたり、それを積んだカーゴから台車に本を移したり、組み終えた出品を撮影してスタッフに送ってデータを作ってもらったり、それを印刷した封筒を準備したり。身体が重くてあまり動きたくなく、騙し騙し、手伝う。
事務所で封筒作業をしながら、80年代〜90年代に10代を過ごしたこと、について話題が及ぶ。インターネット前夜。ファミコン。バブル。渋谷系とビジュアル系。読んでいた雑誌。CDをジャケ買い。山本寛斎とミチコロンドン。日比野克彦。カラオケに行った人と行かなかった人の断絶。「断絶」といえば、と、学生運動をやっていた人と疎ましく思っていた人(団塊の世代)、戦時中の青春を意気揚々と話す人と話さない人(戦中世代)の断絶に思い至り、今の10代20代の人たちは30年後、SNSやってた人と避けてた人の断絶を語りそうだよね、なんてことを話す。それにしてもこんなことをすらすら話して楽しめるのだから、老いたなと思うし、古本屋だな、とも思う(あの当時のものが、日々商品として、今でも身近なものとしてある暮らし)。
17時過ぎにようやく出品作業が終わる。じゃあまた!来月ね、と挨拶しそうになり、明日も来るのだった、と思い出す。市場が身体に染み付いていて、この場が大好きな太閤堂ではないので、わたしは市場は月に一度で十分なのだ。
疲れて寝てしまっているうち店に到着。太閤堂は不在中にお預かりした店頭買取の査定を、わたしは別の買取の入金を。量や内容の差こそあれ、とにかく最近、お買取の持ち込みや相談が多い。とてもありがたい限りなのだけれど、バックヤードを物理的に停滞させないために動き続けなければならず、気が抜けない。そしてなかなか3階の作業にかかれずにいる。
閉店後、現金在高は今週もきっちり合ってほっとする。太閤堂は疲れもあってかお腹を壊しているが、少しだけ、と誘って3階へ。疲れてはいるけれど、3階に立っていると、じわじわとテンションが上がってくるのを感じる。本を数冊だけ棚に差して、今日は、帰った。早く作業をしたい。