日日古本屋

岐阜の古書店・徒然舎店主の日乗です

5月17日(水) 存在価値

とても暑くなる、という天気予報。当初は名古屋の美容院へ行ってから母に会う予定だったが、父が風邪をひき、来週の四国旅行をキャンセルしたから、と母から連絡があり美容院を来週に変更したため、予定なしの水曜。

カットしたまま食べなかった冷蔵庫のアスパラが気になっていたので、パラパラの冷やご飯とハムでチーズリゾットをつくる。太閤堂に聞いてみたら食べる、というので分ける。

あまりの太陽の眩しさに、どこかへ出かけたいような気持ちが珍しく湧いてソワソワしてきて、IKEAとかどう、と言ってみたりするが、太閤堂は、今日は休む(家を堪能する)という決意が強いようで、乗ってくれない。仕方なく、だらだらと過ごし始める。

こういうとき、SNSには本当に気をつけないといけない。フォローしている人たち、知り合いかも?の人たち、近い業界の人たち、著名人たち、そんな人たちみんなが豊かで、仲間いっぱいで、前向きで、パワーを持っていて、将来が明るい--そんな風に見えてしまう。実際はそんなことないよ、と思おうとしても、Instagramを覗けばみんなキラキラして見え、 Twitterを覗けば世の中はもうクソッタレに思える。

基本的に自分は自分に自信がない。でも譲れないプライドはあって、それを死守するために必死に生きてしまう。ここまできてようやく、自分の立ち位置を見つけたような気持ちではいるけれど、まだ誰かと比べたり、誰かに認められたいと思ったり、してしまうのが情けない。

テレビに出たら、有名人がうちの店の名を話したら、雑誌の表紙にでもなったら、まちでの居心地も変わったりするのかなあ、と思ってしまったりするのだ。本が好きなお客様には、少しずつ存在を認めていただいていることを感じているし、売上だって伸びている。おかげさまで店をここまで続けてくることもできた。一番大切なことはそういうことじゃないのはわかっているのだけど、消えゆく文化の灯を守っているとか言われたいわけじゃないんだけど、近くに同業もおらず、生まれた地元でもなく、横のつながりをつくるのも不得意な自分は、まちの一員として、店を続け、お客様が増えていくことこそが「まちづくりへの貢献」だと信じて、自分にできるやり方だと信じて頑張ってきたのだけど、果たして周りには「このまちのためになってる」と思ってもらえてるのかなと、時に弱気になる。近くに味方がいないような気持ちになる。

店が休みの日には、余計こんなことを思ってしまう。明日、スタッフみんなの顔を見て、通販の注文を確認して、開店後にお客様の姿を見たら、きっと元気になれる。

f:id:tsurezuresha-diary:20230518020943j:image精いっぱいの休日感