日日古本屋

岐阜の古書店・徒然舎店主の日乗です

9月16日(金) カルペ・ディエム

昨夜は渋谷のON SUNDAYSでこの前買ったデイヴィッド・ホックニーの「絵画の歴史」を読み始めてしまったら、結局2時くらいになってしまい、ちょいはや起床は叶わず。

朝、楽しみにしていたスナックサンド(ツナ)を食べてみたら、中のフィリングの味がどうもよい感じでなく、悔しいなあと思いながら、がんばって一個は食べる。しばらくこういう惣菜パンを食べないうちに、パン側が変わったのか、わたしの味覚が変わったのか。ランチパック(20円くらい高い)と食べ比べてみたくなる。

出勤すると、アルバイトさんが一人来ていない。メッセージを送るも、既読にならない。電車通勤の子なので何かあったらいけないと、携帯にかけるも、留守番電話になってしまう。出勤している一同がなんとなくモヤモヤ気にしながら1時間以上経った頃、寝ていました、と連絡がきて、ひとまず安心する。雇用主としては困る事態ではあるし、ちゃんと注意せねばと思うけれど、ふだんは真面目に働いてくれている子なので、まあ、アルバイトだし、そういうこともあるわなあ、と思ってしまいもする。顔も体型も気持ちも丸くなったもんだ。

連休を前倒しているかのように、いつものんびり気味の金曜日らしからぬ来店がある。通りすがりに見つけてなんとなく入ってみただけ、という感じのお客様の割合も多く、そういう点でも平日らしくない。ただ、5,000円の川端康成や3,000円のウォーホルをサッと買ってくださる方もいたりして(別々の方)嬉しい。

そわそわしたまちに紛れるように、初老の女性と高齢女性の2人組が、作業部屋のドアを叩き、ガラス越しに覗き込んできた。ドアを開けると、あの独特な物腰で語り始めようとしたので、忙しいので、と言って遮りドアを閉めた。店に来ました、とさっき聞いていたので、長々と語りを聞かずに済んだのだ。店に戻り、こっちにも来たよ、と報告。ところで、何を言ってきたの?と聞いてみると

「いつまでも死なない、死ぬことなんてないと思っていませんか?」

と唐突に始めたとのこと。わたしの周りにそんなこと思ってる人なんていないんで、と思ったけど言いませんでした、というスタッフが最高だった。

それにしてもそれはあれだ、メメント・モリか。日々の楽しみで見ている山田五郎YouTubeのおかげで、とくに今はその言葉はわたしにも身近だよ。そしてそんなこと言われたら言い返してやりたいよ、「カルペ・ディエム」。

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