日日古本屋

岐阜の古書店・徒然舎店主の日乗です

8月20日(土)

50歳になった、というような一文で始まる章があって、気持ちよかった。こんなふうに書ける心境に至りたい。

窓辺のこと

最近は、50代の人の言葉を探し求めてしまうようになった。問答無用でもうすぐ訪れる50代が、わたしは怖くてしかたがない。病気、怪我、身内の不幸、貧窮。いろんなしんどさが予想され、それがとにかく怖い。30代の、産む産まない産め産めないのいばらみちを過ぎ、人生を賭けられる仕事に出会えた40代を夢中で必死に生きていたら、更年期障害とともに50代の足音が聞こえてきていた。みんな、なんだかんだいいながらも生き続けているのだから、なんとかなるのだろうとは思う、思おうと思うのだけど。こんなこと考えてしまうというのも、いわゆる更年期的なやつの仕業なのかな。

 

朝、お弁当つくりながら「ダイアンの TOKYO STYLE」最新回。30〜40年前の地方のあまり裕福な感じでない家庭の外食事情をベースにしたトークに共感しすぎて爆笑してしまった。

大人になって初めて焼肉屋に行ったことも(ふだんは家で肉焼いて食べてたのも)、家族での外食といえば行きつけの安い中華だったのも(すごく嬉しかったのも)、鰻といえばスーパーのを家で食べるものだったことも(ぶにゃぶにゃのそれが嫌いで、岐阜で炭焼きの鰻を食べるまで鰻自体が苦手だったのも)、そういえばそうだった!と思い出して、どんどん笑えてきた。

ぜんぜんTOKYO STYLEじゃない。そしてこの番組でも「親父死んでんねん!」が聞けて嬉しい。だんだん肩の力抜けてきてていいな。

 

夕飯は肉野菜炒め定食的な感じに(太閤堂が好きな、やよい軒のをイメージ)。肉野菜炒めは、鶏がらスープと塩胡椒、少しのオイスターソースで味付けしてみたら、結構似た。味噌汁の具がワンパターンすぎて飽きてきたので冷凍レンコンとにんじん、刻みネギを入れたら結構よかった。

食べながら、毎晩見ているNHK「72時間スペシャル」。今日は、10年に一度のバイク集会の回。長崎のお盆にしろ、青森の恐山にしろ、樹木葬にしろ(今回は飛ばした)、家族の死が関わってくるものが上位なのがちょっと嫌な流れだったので、バイクと学生寮の回は良かった。鴨川デルタ、は、そんな名前では呼ばれてなかった頃の自分の記憶が重なるので、何度見ても良し悪し。桜の季節に泣きながら自転車こいで鴨川沿いを北上したことを今ふと思い出してしまった。

 

夜は、山田五郎さんのYouTubeを観るのにはまっている。毎日手に取るたくさんの本で目にしてきたいろいろな画家や、作品の印象が、ひとつながりになっていく感覚が楽しい。知的興味をきちんと満たしてやる、育ててやる時間をもたなきゃと、最近よく思う。