日日古本屋

岐阜の古書店・徒然舎店主の日乗です

6月25日(金) 古本屋にも時は流れる

イベント準備が気になり続けているけれど、今日は毎月末の税理士さんの監査。今日はちょっといつもみたいな雑談は余裕ないんです、ごめんなさい、とことわって早々に必要書類をお渡しし、チェックしてもらっている間に倉庫へ。

荒れ果てた(ように私には見える)倉庫を掘りながら、イベント向きの本を集めていく。あとコンテナ6個くらい、300冊くらいは作らなくてはならない。

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家に帰ってからようやく、明日の「小さな古本屋講座」用の資料の仕上げに取り掛かる。力作の表は完成したので、あとは参考書籍一覧。自宅の本棚や店の棚を見て、過去の自分のブログを覗いたりして、つくっていく。

開業当時に熱心に読んだ本をパラパラとめくると、今ではもう使えない情報、そして閉店されたお店も目につく。ゆったりして見える古本屋の世界も、この10年で、ずいぶん変わったのだと思い知らされる。新しい流れを(取り入れないにしても)常に意識して、情報をアップデートし続けて、そしてなによりお客様に向き合い続けないと、絶対に取り残されてゆくのだということを、ほんの少し昔の本を通じて改めて感じる。

自分にも、徒然舎にも、たしかに時間は流れている。たかだか開店10年で古本屋講座を開くなんて生意気な、と思われるのは仕方ないとわかっているけれど、今でないと始められない、今こそ求められている、と思っての決断だった。さまざまな期待を胸に足を運んでくださる方に、なにか少しでも、前向きな力を伝えられたら。本の売り買いだけではないかたちでも、なにかしら喜んでもらえたら。こんな自分でも、生きてきた意味もあるというものだ。