日日古本屋

岐阜の古書店・徒然舎店主の日乗です

1月18日(月) 苦しい心の片隅に

昨日は、体調不良の影がちらつき、とにかく怖くなって早々に床に就いた。がんばれ免疫力。祈るような気持ちで眠り、起きる。よかった、元気だ。

定休日前の月曜は、特にスタッフが忙しい。開店から昼下がりまで、わたしが店番に入る。

先日に続き今日も本を売りにきてくれた若者が、仕事を離れて実家に帰ることにしたんです、と話してくれた。去年の店舗休業期間中に、素敵な絵と「貴店の大ファン」との言葉を添えて応援ハガキを送ってくださったお客様からの寒中見舞いには、どん底から這い上がっているところです、と書かれていた。

それでなくても生きていたら苦しいときは必ずあるというのに、このコロナの世の中は、さらにわたしたちを苦しめる。軋み、分断があちこちで起き、すべての人がストレスに晒され続ける。

苦しさを目の当たりにして、なにか、自分にできることはないだろうか、と、反射的に考えてしまい、ずっと考え続けてしまう。でも、結局、徒然舎を開け続けることしか、できることなんてないんだ。

苦しい心の片隅に置いておいてもらえる店でありたい。棚に並ぶ本を眺めれば心が落ち着き、本の楽しさを思い出してもらえる店でありたい。まちに根を張り、まちに朗らかに開き、本に惹かれる人たちに頼られる、大きく深い存在でありたい。ずっとそう思ってきて、そのためにがんばってきた、けれどまだまだ足りない。コロナの今だからこそ、もっと強い意志をもちたい。もっともっと、いい店にしたい。

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