日日古本屋

岐阜の古書店・徒然舎店主の日乗です

10月1日(木)

猛烈な夏はきちんとあっさり過ぎ去って、秋らしい秋が来た。コロナ休業した春よりも、ずっとつらく厳しかった夏が終わった。やっと、終わった、と思えるようになった。

この場所で店を開けてから6年になる日でもあるし、今日からまたこの日記を書き始めようかな、と、うっすら思っていたら、夕方レジに立っていたとき、紳士なお客様に「コロナの時の日記、読んでいました」と突然、声をかけていただいた。咄嗟に「ありがとうございます、お恥ずかしい限りです」と声に出てしまったけれど、じわりと、胸に熱いものが満ちた。そして、人の気配が消えたまちのなかで、スタッフさんたちと地道に通信販売を続けながら数字と向き合っていたあの日々のことがフラッシュバックした。あの、静かで厳しくも、目に見える優しさと共にあった日々。

秋。揺れ続けた夏を越えて、これから進むべき道と歩き方がようやくきちんと見えてきた今。また少しずつ、古本屋の日々を綴っていけたらいいなと思っている。…とはいえ、また全力で向き合うべきものが現れたら、お休みしてしまうことになるとは思います。

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